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2012 Fiscal Year Annual Research Report

細胞感染によるオートファジーと細胞死の生理機能解析

Research Project

Project/Area Number 12J06919
Research InstitutionTokyo Medical and Dental University

Principal Investigator

相川 知宏  東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)

KeywordsA群レンサ球菌 / 細胞死 / オートファジー / Bclファミリー分子
Research Abstract

オートファジーと細胞死の双方の誘導に関わる分子として,細胞死制御因子であるBc1ファミリー分子群に着目し解析を行った.これまでに,Bc1ファミリー分子の1つで細胞死の抑制に携わるBc1-2の強発現細胞においては,生理的なオートファジーの誘導が抑制されることが報告されている.しかしながら,本研究ではBcl-2の強発現によって,A群レンサ球菌の感染による細胞死の誘導は抑制されたが,オートファジーの誘導は抑制されなかった.一方で,Bcl-2と同じ細胞死抑制因子であるBcl-xL,Bcl-wよびBcl2A1の強発現細胞では,細胞死とオートファジーの両者が抑制された.これまでに,細胞質内のROS産生の増加に伴い,オートファジーの誘導が促進されることが報告されていることから,これらの3つの細胞死抑制因子を強発現させた細胞においてROS産生量を測定した.A群レンサ球菌感染細胞では感染によってsmall-GTPaseの1つであるRac1を介したROS産生が誘導されるが,コントロールベクターを強発現させた細胞と比べて,これらの3つのBc1ファミリー分子を強発現させた細胞内でのさらなるROS産生の抑制/増加は認められなかった.このことから,オートファジー抑制機序についてはROS産生とは別の機構が関与していることが推察されることから,さらなる解析が必要であることが考えられるが,これらの3つの細胞死抑制因子が細胞死とオートファジーの両者を制御する『司令塔』として機能している事が示唆された.さらにの細胞内での詳細な機能,役割を精査することで,これらが本菌の感染を制御する分子ターゲットとなることも期待される.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

Bclファミリー分子のうち,細胞死促進因子群のタンパク質については,発現のみで過度の細胞死を誘導することから,強発現による実験系の遂行はできなかった.しかし,本年度までに全ての細胞死促進因子群のGSTタグ付組換体の作製を完了することができたことから,組換体を用いたプルダウンアッセイによって,Atgタンパク質群との相互作用を観察することが可能となった.すでにプルダウンアッセイを開始しており,これまでに非発表ながら.ポジティブな結果が得られている.

Strategy for Future Research Activity

上記に記したプルダウンアッセイを引き続き実施することで,Bclファミリー分子群とAtgタンパク質群との相互作用を明らかにする.相互作用の認められた分子についてはさらに結合部位を同定する.また,これらの分子群のノックダウン系を網羅的に構築することで,個々の分子のオートファジーあるいは細胞死における機能を明らかにする.さらに,現在当該研究室では,近年報告されたゲノムエディッティングと呼ばれる手法によって標的分子のノックアウトを細胞レベルで行うことを試みている.この系において,Bclファミリーからは,Bcl-2(細胞死抑制因子)とBax(細胞死促進因子)の2分子について現在ノックアウト細胞株の作製を試みている.

  • Research Products

    (4 results)

All 2013 2012

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Complete Genome Sequence of Propionibacterium acnes Isolate from sarcoidosis patient.2013

    • Author(s)
      Minegishi K*, Aikawa c*, Furukawa A, Watanabe T, Nakano T, Ogura Y, Ohtsubo Y, Kurokawa K, Hayashi T, Maruyama F, Nakagawa I, Eishi Y. (*Co-1st author)
    • Journal Title

      Genome Announcements

      Volume: 1

    • DOI

      10.1128/genomeA.00016-12.

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Complete genome sequence of the serotype k Streptococcus mutans strain LJ23.2012

    • Author(s)
      Aikawa C, Furukawa N, Watanabe T, Minegishi K, Furukawa A. Eishi Y, Oshima K, Kurokawa K, Hattori M, Nakano K, Maruyama F, Nakagawa l, Ooshima T
    • Journal Title

      Journal of Bacteriolog

      Volume: 194 Pages: 2754-2755

    • DOI

      10.1128/JB.00350-12

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] オートファジー回避に関与するA群レンサ球菌遺伝子の同定2013

    • Author(s)
      相川知宏、野澤孝志、郷田瑛、丸山史人、中川一路
    • Organizer
      第86回日本細菌学会総会
    • Place of Presentation
      幕張メッセ国際会議場(千葉県)
    • Year and Date
      20130318,20130320
  • [Presentation] Discovery of Streptococcus pyogenes genes contributing to evasion of autophagic degradation system2012

    • Author(s)
      Chihiro Aikawa, Takashi Nozawa, Takayasu Watanabe, Akira Goda, Takashi Ode, Fumito Maruyama, Ichiro Nakagawa
    • Organizer
      第11回あわじしま感染症・免疫フォーラム
    • Place of Presentation
      淡路夢舞台国際会議場(兵庫県)
    • Year and Date
      20120911-20120914

URL: 

Published: 2014-07-16  

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