2012 Fiscal Year Annual Research Report
認知類型論による第二言語習得の研究:日本人と中国人による英語移動・変化表現の習得
Project/Area Number |
12J06949
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
スプリング ライアン 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 第二言語習得 / フレーム化 / 認知言語学 / 衛星化 |
Research Abstract |
本研究の目的は二つある。(1)Talmyが提案した認知言語類型化の要因が本当に認知プロセスによるものかどうかを明らかにする。これを証明するために、具体的に英語母語話者がi)頻繁に衛星化(移動を現す動詞に同じ意味を現す前置詞などを加えること)を生じることii)学習が進めに連れて、衛星化を起こす割合が少なくなることを明らかにする。(2)Talmyの言語類型化がどのぐらい第二言語の状態変化表現の習得に影響を及ぼすかを明らかにする。これを証明するために、具体的に日本語母語話者と中国語母語話者が英語を学習する際に、どのぐらい自分の母語の表現に沿って英語で表現しようとするか、どのぐらい英語の普段パターンに沿って表現するかを明らかにし、日本語母語話者と中国語母語話者の間の相違点と共通点を明らかにする。 以上に述べた目的(1)を達成するために、第一言語習得の実験を行う必要がある。アメリカに行き、英語母語話者である小学生・中学生・高校生に実験をやってもらう。被験者がどの程度で衛星化を行ったか検討し、統計分析ソフトなどでデータを分析する。得られた結果を基にして、学習が進むにつれて、衛星化が少なくなることを証明する。 目的(2)を達成するために、第二言語習得における言語の理解に関する実験と言語の産出に関する実験を行う。言語の理解に関する実験では短い動画を被験者に見せ、提供される英文が成立するかどうかを判断してもらう。言語の産出に関する実験では、短い動画を被験者に見せ、英語で1文で動画を描写してもらい、被験者はどの程度母語のフレームに沿うか、どの程度英語のフレームを使用するかを検討する。全てのデータを統計分析ソフトなどで分析する。得られた結果を基にして、学習者が自分の母語と異なるタイプを学習する際に、どのぐらい異なるフレーム化を理解・使用することができるかを証明する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成24年度に第一言語習得の実験を終わらせ、学会発表を行い、学術誌に投稿した。投稿した論文は現在査読中である。これによって研究目的(1)が達成できた。また、第二言語習得の実験はいずれも計画し、実験問題を作成した。現在は中国在住の被験者と日本在住の被験者からデータを集め終わった。
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Strategy for Future Research Activity |
4月からはアメリカに行き、アメリカ在住の被験者からデータを集める。それから、データを分析し、学会発表を行いコメントを頂く。コメントを考察した上でデータの分析などを改善し、学術誌に論文を投稿する。また、博士論文を完成させる。
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Research Products
(1 results)