2014 Fiscal Year Annual Research Report
真の天然の水酸化鉄である微生物生成水酸化鉄が微量元素の環境挙動に与える影響の評価
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12J07248
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
菊池 早希子 広島大学, サステナブル・ディベロップメント実践研究センター, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 水酸化鉄 / 鉄酸化菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
地球表層に広く分布する水酸化鉄はBiogenic iron oxyhydroxides (BIOS)と呼ばれ、微生物由来の水酸化鉄と有機物の混合体である。一般に水酸化鉄と有機物は高い吸着能を持つため、両者の混合体であるBIOSは吸着を通してさまざまな微量元素の挙動を支配する。一方で、BIOSは堆積後に鉄還元や有機物分解を受けることで、元々BIOSへ吸着していた微量元素の挙動が変化することも考えられる。そこで本研究では、BIOSが長年沈殿することでできた堆積物(深さ10 cm)中で生じる有機物分解と鉱物種変化を理解することで、BIOSの堆積後に生じる微量元素の挙動を予測することを目的とした。 堆積物は深度3cmまでの酸化的な層および3cm以深の還元的な層から形成されている。このような環境変化の中で、堆積物4―6 cmでは鉄還元菌により鉄還元および有機物分解が生じる結果、水酸化鉄の一部がSideriteやGoethiteへと変化することが明らかになった。しかし、SideriteやGoethiteが水酸化鉄の周囲を覆ってしまうことで鉄の生物利用性が低下し、還元的な堆積物中でも多くの水酸化鉄は保存されることが明らかになった。一方、鉄還元が抑制された下層堆積物中では、鉄還元菌に代わってメタン生成古細菌が有機物分解を担う。つまりBIOSの堆積後は、水酸化鉄はごく限られた環境で一部のみが還元される一方で、有機物は堆積物全体で連続的に分解されることがわかった。以上の結果より、BIOSの水酸化鉄に吸着した微量元素は堆積後も水酸化鉄に残る一方で、BIOSの有機物側に吸着した微量元素は分解に伴い液相への溶出や吸着ホスト相の変化が生じる可能性が予測される。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)