2013 Fiscal Year Annual Research Report
植物19Sプロテアソームによるヒストン修飾を介した環境応答制御機構の解析
Project/Area Number |
12J07285
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
佐古 香織 独立行政法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 26Sプロテアソーム / シロイヌナズナ / DNAメチル化 |
Research Abstract |
本研究は, 植物プロテアソームによるエピジェネティック制御機構の解明を通し, 植物の新規環境応答機構の解明を目指すものである。近年, 植物は環境ストレスに対し, ヒストン修飾によるクロマチン構造変換によって遺伝子発現を変化させ, 適応していることが明らかになってきた。一方, プロテアソームは, 能動的タンパク質分解によって様々な生命現象を制御するタンパク質複合体である。これまでの申請者の研究から, シロイヌナズナ26Sプロテアソームが, エピジェネティックな遺伝子発現制御に関与することを明らかにした。本研究では, 植物プロテアソームによるエピジェネティック制御の分子メカニズムの解明を目的として研究を実施する。 これまでにプロテオミクス解析によって, 26Sプロテアソームがメチル化CpG結合タンパク質MBD1と相互作用することを明らかにしている。当該年度は植物26Sプロテアソームによるエピジェネティック制御機構を明らかにするために, MBD1の機能解析を行った。その結果, MBD1はin vitroで無修飾のヒストンH3およびヘテロクロマチン領域に特徴的にみられるヒストン修飾であるメチル化ヒストンH3と結合することが示された。これらの結果から, MBD1がヘテロクロマチン形成に関与する可能性が考えられた。また, MBD1が26Sプロテアソームによって分解されることを明らかにした。以上の結果から, 26SプロテアソームはMBD1のタンパク質量を分解によって制御することにより, ヘテロクロマチン形成を制御していることが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は相互作用因子の機能解析において一定の成果を挙げることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は, 生化学的および遺伝学的手法を用いて, 26Sプロテアソームによるヘテロクロマチン制御機構の解明を試みる。また, 全ゲノムのメチル化DNAレベルの検出など網羅的解析を取り入れ, プロテアソームによるエピジェネティック制御機構の解明を目指す。
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Research Products
(4 results)