2012 Fiscal Year Annual Research Report
光電変換機能を精密にプログラム化した超分子集合体の創製と応用
Project/Area Number |
12J07312
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
酒井 隼人 慶應義塾大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | コロネンイミド / ポルフィリン / 分子集合体 / 水素結合 / 光エネルギー変換 / 自己組織化 |
Research Abstract |
エネルギー問題に対する地球規模的な議論の高まりに関連し、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換は関心が高い。しかし、同分野では真空蒸着やスピンコートによる有機薄膜形成や基板加熱による薄膜内のグレインの制御と恣意的なトップダウン法が主流である。したがって、特性向上は実験現場のテクニカルな要素が色濃く、新戦略に基づく分子集積技術の開発は課題である。この点を克服するため超分子的手法に着目し、効率良い光電変換機能を引き出すために、光電変換プロセス、光吸収と励起子拡散、電子供与体Dと電子授与体A界面での電荷分離、外部電場によるキャリア移動という異なる複数の役割を連続的に発現可能なDとAが層分離・共役した集積体の構築を目指す。そこで平面性有機色素のカラム状集積能に着目し、ポルフィリン(D)とコロネンイミド(A)を用いることとした。そこで、まず水素結合形成可能なポルフィリン及びコロネンイミド体を合成した。次に、合成した分子間での電子移動特性について各化合物のサイクリックボルタンメトリ測定を通して行った。その結果、電荷分離状態はポルフィリンの励起状態よりも安定であったことから、ポルフィリン励起により、電子移動は生じることが示唆された。次に本集積体構築の鍵となる水素結合形成について^1HNMRのtitration実験によって検討した。コロネンイミド体を一定濃度とし、ポルフィリンを添加していったところ、コロネンイミドのイミド基上のプロトンに対応するシグナルのシフトが観測された。よってD分子とA分子間での水素結合形成を確認した。最後に高次組織体構築の検討を行った。D分子とA分子を良溶媒に1対1の割合で溶解し、無極性溶媒に投入した。調整した溶液をTEMグリッドに滴下し観察した。形状は各単量体の時には観察されなかったため、D-A混合分子から構成されていると示唆された。
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Research Products
(3 results)