2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J07430
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐久田 淳司 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 液晶 / 電解質 / リチウムイオン電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
リチウムイオン電池は、代表的な高性能蓄電デバイスであり、現在盛んに研究されている。安全でかつ高性能なリチウムイオン電池を開発するために、新たな高機能電解質が求められている。中でも液晶電解質は、一次元から三次元のイオン伝導パスを形成し、イオンを効率的に輸送するため、大きな注目を集めている。本研究では、液晶電解質の更なる機能化のために、リチウムイオンを効率的に輸送する液晶電解質の開発を目指している。 前年度の研究で、環状カーボネート基を有するイオン伝導性スメクチック液晶がリチウムイオン電池に応用できることが分かったため、更なる性能向上に向けた材料設計を行った。電気化学的安定性を改善するために、脂肪族系のメソゲン骨格とカーボネート基を有する液晶分子を設計、合成した。この分子とリチウム塩の複合体はスメクチック液晶相を発現した。エチレンカーボネートを加えることにより、液晶電解質の伝導度を高められることが分かった。この液晶分子、エチレンカーボネート、リチウム塩からなる電解質が、高い電気化学的安定性を有することがサイクリックボルタンメトリー測定により示された。 また、イオン性部位の体積比率が高い液晶ナノ構造を利用した液晶電解質の開発を行った。周縁部に複数のイオン部位を有する扇形分子を設計、合成した。分子はカラムナー液晶相およびミセルキュービック液晶相を示すことが分かった。イオン伝導度測定により、イオンが伝導する領域がポリドメイン状態においても三次元的に接続されており、効率的にイオンが輸送されていることが分かった。以上のように本研究では、リチウムイオンを伝導する高機能な液晶電解質の開発を目指し、電解質の電気化学的安定性やイオン伝導性を高めるための材料設計を行った。これらの研究から得られた知見は電解質材料の開発のみならず、材料化学や超分子化学の分野の進展にも貢献すると考えられる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)