2013 Fiscal Year Annual Research Report
核内受容体PPARγの新機能に着目したリガンド創製研究
Project/Area Number |
12J07435
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大橋 雅生 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 核内受容体 / PPARγ / アンタゴニスト / TGF-β阻害 / ノンゲノミック |
Research Abstract |
本年度は主に以下の研究成果が得られた. 1)昨年度創出したPPARγアンタゴニストのアンタゴニスト活性の向上を目指した構造展開 これまでの構造活性相関研究から末端構造の剛直性がアンタゴニスト活性発現に重要であることが明らかになっている. そこで, アンタゴニスト活性の向上を目指し末端構造を剛直でかつ様々な嵩高さを有する構造に変換した. その結果, アリルアルキニルアミド構造を有する化合物に強力なアンタゴニスト活性が認められた. また、これらアンタゴニストは既存PPARγアンタゴニストであるT0070907とは異なりホルモン誘導性脂肪細胞分化に影響を与えないことが明らかになり, PPARγアンタゴニスト間でもPPARγの制御機構が異なる可能性が示唆された. 2)PPARγインバースアゴニストの創製 コリプレッサー誘導活性がホルモン誘導性脂肪細胞分化に強く関わっていると考えTOO70907と同等かそれ以上のコリプレッサーリクルート活性を有するPPARγリガンドの創出に着手した, その結果, TOO70907と同等以上のコリプレッサー誘導活性を有しホルモン誘導性脂肪細胞分化を抑制する新規PPARγリガンドの創製に成功した. さらに, 本リガンドは成熟脂肪細胞において定常状態におけるPPARγ標的遺伝子の発現を抑制するインバースアゴニストとして機能することを明らかにした. 3)PPARγリガンドのPPARγを介したTGF-β阻害活性を評価するためのレポーターアッセイ系の確立 293細胞を用いて種々検討を行った結果, PPARγの発現によりTGF-β阻害活性が強められ, PPARγアゴニストであるロシグリタゾンによりその効果が増強されることを確認した。今後、再現性も踏まえてさらにレポーターアッセイ系を最適化しこれまでに構築したPPARγリガンドライブラリーのスクリーニングを行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1)と2)に関する課題は期待以上の研究の進展があったが, 本研究の肝である3)に関する課題についての進展が遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
3)のレポーターアッセイ系を最適化・確立できればこれまでに構築したPPARγリガンドライブラリーのスクリーニングによりPPARγのゲノミック作用を持たずノンゲノミック作用を持つ化合物を得るための情報は得られると考えているので最終的な研究目標には到達できると考えている.
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Research Products
(4 results)