2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J07462
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 静雄 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ダイバータ / プラズモイド / 動的ダイバータ / 磁気リコネクション / ガイド磁場付き |
Research Abstract |
本年度はプラズモイド放出の物理解明を目標とし研究を行った。トカマクプラズマは非常に高強度のトロイダル磁場が存在しており、プラズモイド放出に際して、リコネクション速度やエネルギー輸送が低速化・低効率化することが旧来の物理モデルから予測されている。本研究ではTS-4における実験と大規模な数値シミュレーショシ(2D FULL PICシミュレーション)を用い、1)トロイダル磁場によりリコネクションアウトフロー(プラズモイド放出においてはプラズモイド中へのプラズマの輸送を意味する)が低下しないこと、そして2)そのメカニズムが旧来考えられていたHall-MHDによる理解とは異なることを、核融合科学研究所との共同研究により明らかにした。 いずれの結果も、シミュレーション-実験の密接なcross validationにより世界で初めて明らかにされた結果であり、室内実験・シミュレーション研究双方の理解が無ければ解明が困難であった現象である。1)は磁気リコネクションを通じてプラズモイドへ効果的に粒子が輸送される事や、合体に応用した場合、加熱効率がトロイダル磁場により減少しない事を示し工学応用の可能性を示すものであり、隔年開催のIAEA Fusion energy confbrence 2014の国内選考を既に通過し、2014秋開催予定の会議にて発表を行う予定である。一方2)においては、従来磁気リコネクションにおけるエネルギー変換過程においてHall項が最も重要なtermであるとされる従来の結果と反する結果を得ており、その過程で新たなポテンシャル構造を発見し、旧来のエネルギーゲインの描像を修正する結果を得た。これらの結果は既にまとめられ、論文誌投稿直前である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高強度のトロイダル磁場による性能低下は不可避な問題と考えていたが、運動論的効果を含む新たなメカニズムにより回避可能である事が解明され、実現への見通しを得た。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究により明らかになった非常に強いトロイダル磁場下における新たなエネルギー変換機構は動的ダイバータにおける見通しを与えるのみでなく、宇宙における大規模なエネルギー解放にも適用可能な新しいモデルであり、早急な論文化と学会におけるアピールを行う。加えて、従来の研究で得た見通しを元に、動的ダイバータの実験的実証を進めていく。
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Research Products
(5 results)