2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J07523
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横崎 統三 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特別研究員(PD)
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Keywords | 超対称性 / ヒッグスボソン / 超対称性の破れ |
Outline of Annual Research Achievements |
私は、今年度も引き続き、「破れた超対称性」に基いて模型の構築および検証方法の研究を行った。とくに重視したのは、「1, 模型が非現実的なほど複雑でないか」と「2, 実験的に検証可能であるか」の2点である。私はこの考察に基づき、ゲージ媒介模型の不要な部分をそぎ落とし、シンプルで現実的な模型、“Direct Minimal Gauge Mediation”を提案した。 125GeVの比較的重いヒッグスボソンがLarge Hadron Collider(LHC)で発見されたことにより、超対称粒子を発見することは一般的には困難であると思われている。なぜなら、超対称標準模型で125GeVのヒッグスボソンを説明しようとすると、重いストップ(トップ粒子の超対称パートナー粒子)からの量子補正が不可欠である。ストップの質量は5TeV程度必要であり、同じようにカラー電荷をもった超対称粒子も重いことが期待される。このような5TeVの質量を持った超対称性粒子はLHCで発見することは不可能である。 しかし、カラー電荷を持っていない粒子はどうであろうか。一般にはこれらがLHCで発見されるほど軽い理由はない。LHCでカラー電荷を持っていない超対称性粒子は発見されるのだろうか。私は“Direct Minimal Gauge Mediation”という魅力的な模型を提案し、この模型ではスタウという超対称パートナー粒子が軽くなり、したがって将来的にLHCで発見されることを示した。この模型は、危険なフレーバーの破れの無い、ゲージ媒介模型にさらに、「大きなCP対称性の破れ」がないという要請をおいたものである。実験では、大きなCP対称性の破れは見つかっておらず、この要請をおくのは極めて自然である。大きなCP対称性の破れがないという要請から、ヒッグスの真空期待値の比が大きいことが予言され、結果としてスタウは軽くなるのである。 この結果は、Physical Reviewに掲載され、また研究成果に基づき招待講演を行った。
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Research Progress Status |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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Research Products
(3 results)