2013 Fiscal Year Annual Research Report
19-20世紀転換期ラテンアメリカ文学におけるヨーロッパ芸術思潮の受容と展開
Project/Area Number |
12J07556
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
棚瀬 あずさ 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 文学 / スペイン語 / モデルニスモ / ルベン・ダリオ / ラテンアメリカ / 多国籍 / 象徴主義 |
Research Abstract |
本研究は、19-20世紀転換期ラテンアメリカ文学におけるヨーロッパ芸術思潮の「受容」(どのように紹介され、受け入れられたか)と「展開」(受け入れられたものが文学作品にどのように取り込まれ、活かされたか)の状況を明らかにする作業を通じて、この時期のラテンアメリカの文学作品が持つ独自性を、当該地域の枠内で考察するに留まらず、ヨーロッパ芸術思潮との関係からも明確に捉え、国や言語を越えて展開する世紀転換期の芸術動向におけるラテンアメリカ文学の位置づけを明らかにしようとするものである。 今年度は前年度に引き続き、スペイン語圏の文芸雑誌や、比較対象となるヨーロッパの文学作品、定期刊行物等の収集・分析を行う「受容」研究と、ラテンアメリカの文学作品を幅広く収集し精読する「展開」研究を並行して行った。研究対象としては、ヨーロッパの最新文芸を積極的にスペイン語圏に紹介した詩人R・ダリオ(1867-1916、ニカラグア)やL・ルゴーネス(1874-1938、アルゼンチン)など、またヨーロッパ諸国の文学からはC・ボードレール(1821-1867、フランス)、O・ワイルド(1854-1900、イギリス)などに焦点をあてて、著作や関連文献の読み込みを進めた。また、文芸雑誌については、Revista Azul (1894-1896、メキシコ)、Mundial Magazine (1911-1914、パリ)などを対象に調査を進めた。日本国内での入手が難しい資料も多いことから、平成25年11月以降は、スペインにおける学術調査を実施中である。 研究成果の一部は、日本ラテンアメリカ学会第33回定期大会(2012年6月、愛知県立大学)で行なった口頭発表をもとに、論文「ルベン・ダリオの詩における放浪のモチーフ」にまとめた(2014年6月に刊行される日本ラテンアメリカ学会の『ラテンアメリカ研究年報』に掲載決定済)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ当初の計画に沿って作業が進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在滞在中のスペインにおいて、日本では入手の困難な一時資料・二次資料の収集を引きつづき行いながら、現在までの研究成果の整理と分析をいっそう進める。
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Research Products
(2 results)