2015 Fiscal Year Annual Research Report
気候変動下における半乾燥地での生態系機能を考慮した持続的農業生産モデルの構築
Project/Area Number |
12J07604
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
柳川 亜季 東京工業大学, 理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 気候変動 / 干ばつ / 脆弱性評価 / 土地利用履歴 / 生物多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
<概要>持続的農業生産モデルの基礎となる干ばつに対する脆弱性評価のため、生態系機能を考慮し、土地利用期履歴、土壌タイプ、生物多様性を評価に組入れた、モデルの開発を行った。その結果、干ばつに対する脆弱性は、当該干ばつの程度、つまり、干ばつ前年および翌年も含めた降水量に大きく左右されることが既存研究と同様に示唆された。また、灌漑率や草地利用期間といった、土地利用履歴が干ばつの脆弱性を高めている可能性が示唆された。 <脆弱性の評価方法の検討>生態学では、干ばつに対する脆弱性の評価について、干ばつ前後の生産量の差から導き出すことがある。これは、Resilienceと呼ばれ、個別地域の干ばつ影響評価において用いられてきた。本研究では、全球を対象とし、MODIS-EVIを使うこととした。干ばつ年の前年および翌年のEVIを差し引きし、常用対数をとったものをResilienceとした。このResilienceの値が正規分布することを確認した。 <脆弱性評価モデルの構築>脆弱性評価モデルの構築のため、土地利用履歴、土壌タイプ、生物多様性、降水量、灌漑率などのデータをそろえ、すべて0-1の値におさまるように変換した。そして、空間的・時間的ばらつきを考慮した、ベイズモデルにて解析を行った。解析を行う前に、ベイズ情報量基準に基づいて変数選択を行った。解析の結果、干ばつ年の降水量やその前年・翌年の降水量は脆弱性の指標である、Resilienceに大きな影響を及ぼしていることが示された。一方で、これまで全球スケールの研究において十分に考慮されてこなかった、土地利用履歴や土壌タイプ、生物多様性も脆弱性評価において、重要であることが示された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)