2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J07630
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
竹田 泰隆 豊橋技術科学大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 巧みな運動 / 自由度 / 協応構造 / COLUMN / INAMO |
Research Abstract |
今年度は、主に3点について重点的に研究を行った。1点目は、キャリングビークルCOLUMNを通じて構築される操作者間の協調について詳細に分析を行った点である。具体的には、操作者同士の「操作の衝突」に着目し、協調の構築にどのような影響を及ぼしているか、いくつかの観点から考察を行った。その結果、初心者の操作には「操作の衝突」が頻繁に確認されるものの、熟練者の操作では少なかった。「操作の衝突」が消える前後において、操作者間の操作は「頻度」「強さ」「タイミング」を中心に似ることが確認されており、「操作の衝突」の有無が初心者と熟練者の境界になっていることが示唆された。また、熟練者の操作では、いわゆる「コツ」が共有されているものと推測される。こうした「コツ」は人の身体内において組織化されるため一般的には数値化することが困難であるが、COLUMNを通じて分析することで「巧みな運動」実現への足掛かりとなることが期待される。2点目は、COLUMNを用いて、構成的に運動のモデルを構築する試みである。昨年度までの研究においては主に操作者からの視点においてCOLUMNの運動を分析してきたが、COLUMNをうまく移動させるための条件を整理した結果、COLUMN単体での任意の移動に成功した。今後は操作者側からの分析とCOLUMN側の運動モデルとのすり合わせを行っていく。3点目は、IN側0という離合集散牽繰り返すパネル型ロボットを用いた、人-INAMO-環境の間で自己組織される共創型インタフェースの提案である。INAMOはCOLUMNと同様に、身体を取り巻く環境によって、その振る舞いが制約され、結果として参与者及び環境に応じて形態を変化させるロボットである。ダイナミカルシステムの観点から見ると、「環境の変化に応じて形状(形態)を変化させる」という点において、COLUMNとINAMOは近しい振る舞いを見せることから、「自由度の制約による自己組織化」というメカニズムの解明を行う上で重要な役割を担うものと期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
制御モデルの構築、個人間協調の中で見いだされたコツの整理、キャリングビークルへの応用などを鑑みると、本年度の達成度としては、おおむね順調に進展していると判断できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
COLUMNを思い通りに動かすために、操作者間で「コツ」のようなものが共有され、操作者同士の操作が似通ってくることが確認されている。こうした「コツ」の獲得過程を明らかにすることは、「個人間協調」から「個人内協調」へ研究のステップを進める上で、一つのターニングポイントであると考えている。こういった「コツ」の定量化は困難であるが、センシングの手法を工夫するなどして取り組んでいく。
|
Research Products
(5 results)