2014 Fiscal Year Annual Research Report
ファイトプラズマの防除に向けた昆虫媒介のインターフェースとして働く脂質ラフト解析
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12J07695
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
煉谷 裕太朗 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ファイトプラズマ / 接着因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ファイトプラズマの防除に向けた昆虫媒介に関わる因子の探索を目的として解析を行った。ファイトプラズマは植物に感染して甚大な被害をもたらす植物病原細菌であり、感染植物を吸汁した昆虫の体内で増殖した後、新たに吸汁した健全植物に伝染するため、防除は極めて困難である。多くの病原細菌は、宿主の細胞に侵入するため細胞表面に結合する必要がある。ファイトプラズマと近縁な細菌であるマイコプラズマやスピロプラズマでは、宿主細胞に結合する接着因子が宿主への感染に必要であることが知られている。OYファイトプラズマのゲノム解読の結果、マイコプラズマやスピロプラズマで接着因子として知られているタンパク質と相同な領域(Mollicutes adhesin motif:MAM)を持つタンパク質をコードする遺伝子を見出し、P38タンパク質は植物・昆虫の両宿主内において発現していることを確認した。ファイトプラズマは感染宿主内でP38タンパク質を発現していることから、なんらかの機能を持つことが考えられた。 本年度はP38タンパク質が宿主に対する接着性を有すること、特に昆虫宿主に対する接着性にはMAMが重要な働きをすることを明らかにした。ドットブロット解析により植物および昆虫宿主粗汁液に対するP38の接着能を調べたところ、強いシグナルが認められ、P38が宿主への接着に関与することが示唆された。さらにP38の接着に関与する領域を明らかにするため、変異導入したP38タンパク質を作出し、宿主粗汁液との接着性をELISAで解析した。その結果、植物に対しては明瞭な結果は得られなかったものの、昆虫粗汁液に対してはMAM領域依存的に接着性を持つことが明らかとなった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)