2014 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋の老化におけるニッチ構成タンパク質SPARCの役割に関する研究
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12J07714
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 克行 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 筋ジストロフィー / CRISPR / ラット / SPARC / 骨格筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
新規ゲノム編集技術であるCRISPR/Cas法を用い、昨年度デュシェンヌ型筋ジストロフィーの原因遺伝子であるジストロフィン遺伝子に変異を持ったラットの作出に成功した。これに引き続き、本年度はこのジストロフィン変異ラットの表現型の解析を詳細に行った。CRISPR/Cas法により得られた様々なジストロフィン遺伝子変異ラットの中から、塩基欠損・挿入が3の倍数でないOut-of-frame変異のもの(OF)、および塩基欠損が3の倍数であるin-frame変異のもの(IF)の2種類の変異ラットをライン化した。OFはヒトのデュシェンヌ型筋ジストロフィーの病態をよく反映した重篤な病変を示したが、IFの骨格筋では、筋線維の壊死・再生がみられたものの、その程度はOFのものに比べて軽度であった。したがって、このIFラインはヒトの筋ジストロフィー病態のうち、デュシェンヌ型よりも軽度なベッカー型筋ジストロフィーのモデルラットとなる可能性が示された。 また、これまでに非構造性細胞外マトリクス因子SPARCが骨格筋を構成する前駆細胞に対し、筋分化促進作用および脂肪分化抑制作用をもつことを示し、この作用機構が加齢より破綻することがサルコペニアと呼ばれる骨格筋の老化の一因であることが示唆された。そこで、SPARCがデュシェンヌ型筋ジストロフィーにおいてもその病態発現に関与する可能性を考え、DMDモデルラットにおけるSPARC発現動態の解析を行った。DMDモデルラットにおけるSPARCの発現量を遺伝子・タンパク質レベルで各月齢ごとに定量したところ、1ヶ月齢ではWT・DMDモデルラット間に差はないものの、3、10ヶ月齢のDMDモデルラットでは遺伝子・タンパク質レベルのいずれにおいてもSPARCの発現が亢進することが判明した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Nakamura K, Fujii W, Tsuboi M, Tanihata J, Teramoto N, Takeuchi S, Naito K, Yamanouchi K, Nishihara M2014
Author(s)
Nakamura K, Fujii W, Tsuboi M, Tanihata J, Teramoto N, Takeuchi S, Naito K, Yamanouchi K, Nishihara M
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 4
Pages: 5635
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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