2013 Fiscal Year Annual Research Report
バイオプロセスにより合成されるポリエステルの分子量制御法の開発
Project/Area Number |
12J07940
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
百武 真奈美 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 微生物合成 / 環境材料 / バイオポリマー / PHA重合酵素 / 分子量 |
Research Abstract |
本研究は、バイオプロセスにより合成されるポリエステル(ポリヒドロキシアルカン酸 ; PHA)の分子量制御法の開発を目指して、申請者らが発見したPHA重合酵素が示す特異なPHA分子量変化機構を解明することを目的としている。この分子量変化は他の重合酵素においては確認されておらず、この重合酵素を利用することでPHAの分子量制御を行うことが期待できる。分子量はPHAを含む高分子材料の物性に影響するため、一律な物性を有する材料の安定な供給にはこれを制御できるようになることが望ましい。これまでの結果から、この特異な分子量変化は本酵素自身により引き起こされることが示唆されている。 第2年度は、PHAの分子量変化に関与するアミノ酸残基の特定を試みた。変異型酵素を用いた実験から、特定のアミノ酸残基が本反応に関与することが示唆された。当初これらのアミノ酸を改変して分子量低下を制御できる変異型酵素の作製を考えていたが、今回特定したアミノ酸残基はPHAの重合反応にも重要な役割を担っていたため、この手法での分子量制御は困難と考えられた。 一方、昨年度構築した無細胞系を利用して分子量低下を誘導する代謝生産物と分子量低下の度合の関係を調査した。その結果、代謝生産物に類似した化合物を供給することでも分子量低下が誘導されることを確認した。さらに化合物ごとに分子量低下の度合いが異なることを確認した。これは、本酵素による認識が異なるためであると考えられる。この分子量低下の度合いの変化は細胞内実験系においても確認した。 これらの結果から、本重合酵素を用いて合成されるPHAの分子量は、酵素活性、代謝生産物の種類や濃度によって様々に制御可能であることが明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(5 results)