2014 Fiscal Year Annual Research Report
マントルウェッジ深部流体の研究-造山帯かんらん岩を用いたアプローチ
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12J08040
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
苗村 康輔 名古屋大学, 博物館, 特任助教
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マントルウェッジ / コーナー対流 / 造山帯かんらん岩 / ザクロ石かんらん岩 / ボヘミア山塊 / カーボナタイト / 超ポタシック |
Outline of Annual Research Achievements |
プレート収斂域の「沈み込み帯工場」の中核をなすマントルウェッジの対流層は、試料入手が困難なため物質科学的な研究がほとんど行われていなかった。本研究では、衝突型造山帯の深部岩に取り込まれて産する高圧のザクロ石かんらん岩からマントルウェッジ対流層由来の岩石を見いだし研究を行った。 本年度はチェコ共和国ボヘミア山塊のザクロ石かんらん岩を集中的に研究した。まずボヘミア山塊のザクロ石かんらん岩が記録した熱履歴を復元するために、数cmのザクロ石と単斜輝石巨晶を採集し、EPMAを用いた化学組成分析を行った。その結果、ボヘミア山塊のザクロ石かんらん岩は2段階の高圧ステージを経験しており、初期の120km以深の超高圧条件から一度地殻中部(30-50km深度)に上昇した後、再び100km深度へ沈み込み超高圧条件を記録していることが明らかとなった。この温度圧力変化は、マントルウェッジで生じるコーナー対流運動と整合的である。次にザクロ石かんらん岩から分離したジルコンのU-Pb年代測定を行い、コーナー対流運動の時間スケールの見積もりを行った結果、初期の高温(約1000℃)スピネルかんらん岩ステージと2回目の超高圧条件の年代値がそれぞれ337.1±1.1 Maと333.8±1.8 Ma(1Ma=100万年)と推定された。この結果はマントルウェッジ対流運動の時間スケールと整合的である。 次にマントルウェッジ内部に存在する移動成分(流体およびメルト)を調べるために、初期の超高圧ステージで安定な超高圧クロマイトに含まれる多相固体包有物の分析を行った。一般に多相固体包有物は流体およびメルトの化石と考えられるが、この多相固体包有物は金雲母、カーボネート、アパタイトなどで構成され、組成復元の結果カリウムに富むドロマイトカーボナタイトの化学組成を有することが明らかとなった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)