2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J08160
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 智弘 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 宇宙磁場 / インフレーション / 初期宇宙 |
Outline of Annual Research Achievements |
私の研究課題は「宇宙のインフレーション期における種磁場生成」である。現在の銀河・銀河団のみならず天体密度が非常に低いボイド空間にも微弱な磁場が存在することが観測的に確認されている。しかしその宇宙磁場の起源は天文学における長年の未解決問題であり、未だ有力な理論的仮説さえも提唱されていない状況にある。インフレーションにおいて宇宙磁場の種が生成されるシナリオは、観測されている大スケールの磁場を作る最も有力な候補の1つと考えられている。しかし、私の研究も含め、これまでの研究により、インフレーション期間中だけで観測を説明できるような十分な磁場を生成することは非常に難しいことがわかってきた。その最大の理由は、インフレーション中に強い電磁場が作られると、大スケールの密度揺らぎが必然的に生まれてしまい、CMB(宇宙背景放射)で観測された結果と矛盾してしまうためである。 そこで近年になり、インフレーションでヘリカルな磁場を作る、という新しいアプローチが注目を集めている。ヘリカルな磁場とは、光の持つ2つの偏光のうち片方だけしか持たないような磁場である。ヘリカルな磁場はプラズマ中で、その相関長(磁場の典型的な長さスケール)が増幅するという特徴がある。従って、インフレーションでCMBにかからないような小さなスケールの磁場を作っておき、その後の発展で徐々に大きくすれば、観測と矛盾しないシナリオとなる。我々は、ヘリカルな磁場を作るシナリオとしてこれまで考えられたきたモデル(Axionと電磁場のφF*Fカップリング)に対して精密な調査を行い、これまで見落とされていた磁場増幅機構を発見した。このモデルでは今までインフレーション中の磁場生成と、リヒーティング後のプラズマによる増幅しか計算されてこなかったが、磁場生成はインフレーション終了直後に最大効率で起こることを発見した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)