2012 Fiscal Year Annual Research Report
パイルドラフト基礎の地震時挙動と耐震性評価に関する基礎的研究
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12J08185
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
澤田 幸平 東京工業大学, 大学院・理工学研究科(工学系), 特別研究員(DC2)
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Keywords | パイルドラフト基礎 / 杭基礎 / 直接基礎 / 遠心模型実験 / 水平荷重 / モーメント荷重 |
Research Abstract |
パイルドラフト(PR)基礎は、直接基礎と杭基礎の併用基礎として、建築構造設計指針2001年改訂版に基礎設計の1つに位置付けられている。PR基礎は杭部とラフト部の両方を設計に考慮できるため合理的で経済的な基礎形式であるが、ラフトー地盤一杭の相互作用が複雑であり未解明な点が多く残っている。特に地震時等、基礎に水平荷重が働く場合、この相互作用が水平変位により変化するため、基礎の挙動がより複雑になる。このため水平力に対してはラフト部のみで支持する簡便な設計方法が採用されることもある。また橋梁の基礎等の土木構造物は基礎幅に比べ重心位置が高いケースが多く、水平荷重を受けた際の水平変位に加え、基礎の回転が重要な問題となり相互作用が一層複雑となる。このため地盤工学の分野ではPR基礎の耐震設計法の確立には至っていない。地盤工学の分野では設計が性能設計に移行しつつあり、合理的な基礎形式であるPR基礎の耐震設計法の確立が強く望まれている。 そこで本研究の目的は、PR基礎の合理的な耐震設計法の確立のために、PR基礎のラフトー地盤一杭の相互作用に関する詳細なメカニズムの把握である。PR基礎の挙動に影響を与える要因は様々であるが、特に重要であると考えられる、基礎の回転と上部構造物の自重が相互作用や基礎の挙動に与える影響に着目し、相似則を考慮した遠心場で、PR基礎とその構成要素である、杭基礎、直接基礎の水平載荷実験を行った。これら3つの基礎形式の結果を比較することで、PR基礎のラフトー地盤一杭の相互作用を明確にする事が可能となる。本研究の結果より、PR基礎の回転によりラフト底面の接地圧が変化し、杭部の支持力発現のメカニズムが杭基礎と大きく異なることが確認できた。特に、押込み側の杭は接地圧の増加に伴い杭周辺の地盤の拘束圧が上昇するため、PR基礎の杭部は杭基礎に比べ大きなアドバンテージがあることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験装置に問題があり、当初は若干の遅れがあったが1年を通して見ると、おおむね順調にすすめることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
計画当初はFEM解析を行う予定であったが、梁ばねモデルによる検討を行うこととする。9.研究実績の概要で述べたように、PR基礎は接地圧の影響により、杭部の支持力が杭基礎と異なる。この支持力の変化をばね定数の違いにより再現することとする。
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Research Products
(2 results)