2012 Fiscal Year Annual Research Report
高効率エネルギー変換のための光アシストゾル・ゲル法による高品質量子ドットの創製
Project/Area Number |
12J08225
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
劉 洋 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ドレストフォトン / 酸化亜鉛 / ゾル・ゲル法 / 量子ドット |
Research Abstract |
本研究では高品質なZnO QDを作製するために、ドレストフォトンフォノン(DPP)援用法を提案・開発したのでここで報告する。従来のZnO QDを作製する手法としてゾル・ゲル法が挙げられるが、ゾル・ゲル法によって作製されたZnO QDには寸法ばらつきが多く存在することが知られている。これによりQDの品質が下がり、QDによって構成されるデバイスの効率低下に繋がる。この問題を改善するために、本研究ではゾル・ゲル法に対してDPP援用過程を取り入れてZnO QDを作製した。DPP援用過程はZnO QD周囲で発生するドレストフォトンによって引き起こされる多段階遷移の化学反応過程である。これによって中心寸法より小さいZnO QDの成長が優先的に促進する効果を持つ。具体的な手順として、ZnO QDに671nmの光を照射しながら成長させた。その結果以下の(i)(ii)に示す知見を得ることができた。 (i)技術的な知見 本手法によりZnO QDのばらつきを改善する手法を確立することに成功し、寸法ばらつきを8%以上改善することに成功した。また照射光のパワーを上げることによって成長促進効果が強くなることも見出し、今後更なる寸法ばらつきの改善が見込まれる。 (ii)学術的な知見として以下の2点が挙げられる。 (1)通常のゾル・ゲル法においては従来の熱力学的なプロセスによって決定される化学反応であるため、ZnO QDの寸法分布はlog-normal型であることが知られている。これに対して本手法においてはドレストフォトンフォノンを導入することによってlog-nomal分布に従わない、中心寸法より小さいQDの数が少ない分布になることを確認した。 これにより熱力学に従わない化学反応過程を見出すことに成功した。 (2)本研究によってZnO原子の堆積数を直接的に観測することによって、ドレストフォトンフォノン援用過程の定量的に評価することに成功した。これによってドレストフォトンフォノン援用過程のメカニズムの解明と実証に繋げることに成功した。
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Research Products
(3 results)