2014 Fiscal Year Annual Research Report
極低温単一タンパク質分光を用いた電子移動反応におけるタンパク質構造の役割の解明
Project/Area Number |
12J08402
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
近藤 徹 東京工業大学, 大学院理工学研究科(理学系), 特別研究員(PD)
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Keywords | 単一分子分光 / 単一タンパク質分光 / 顕微分光 / 光合成反応中心 / 光合成 / 電子移動 / エネルギー移動 / 光合成アンテナ系 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度から引き続き、光合成細菌ヘリオバクテリアの反応中心タンパク質(hRC)内で電子移動担体として機能するクロロフィル分子(Chl a-A_0)の極低温1分子測定を行った。hRC溶液をpM程度に希釈しCaF_2基板にスピンコートして6Kで2D蛍光画像を測定すると、hRC由来の輝点が観測された。輝点の1つにレーザースポットを合わせ蛍光強度の時間変化を測定すると、1ステップの光退色が確認できた。1ステップ光退色は単一粒子に特徴的な現象であり、輝点が単一hRCに由来することを裏付ける。630~710nmの波長範囲で単一hRCの励起スペクトルを測定すると、670nm付近に鋭いピークが観測された。光強度に対する蛍光飽和特性はhRC主要色素のBchl gと異なり、Chl a-A_0と同じだった。また、11個のhRCから得たピーク波長のヒストグラムがChl a-A_0のアンサンブルピークと一致した。以上より、670nm付近のピークはChl a-A_0由来と結論した。 Chl a-A_01分子のピーク波長と線形が時間変化した。それに伴い励起偏光依存性も変化した。分子の遷移双極子モーメントの方向揺らぎとピーク波長変化が対応すると分かった。630~710nmの範囲で観測されるChl a-A_0とBchl gのピークについて相互相関を求めると、Chl a-A_0とBchl gのピークで負相関を示すものが観測された。さらに、Chl a-A_0のピーク波長変化に伴い、相関するBchl gが変化した。この結果は、ピーク波長変化に付随してエネルギー移動パスがスイッチすることを示唆する。以上から、タンパク質の構造揺らぎは機能分子の双極子モーメント方向を変化させ、反応経路に影響すると分かった。構造揺らぎ程度の見かけ小さな変化でもRC機能に大きく影響することを実験的に示した。
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Research Progress Status |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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Research Products
(9 results)