2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規「レインボーレポーターシステム」その遺伝子資源・動物資源の開発
Project/Area Number |
12J08563
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
富松 航佑 鳥取大学, 生命機能研究支援センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | マルチカラーレポーター / インテグレース / ヒト人工染色体 |
Research Abstract |
本研究はin vitroまたはin vivoにおける複雑な細胞の現象を可視化するための新規レポーターシステムの構築と、その機能性を細胞株やマウスの発生過程に於いて評価する事を目的として研究を行って来ている。昨年度は、本研究で用いるレポーターシステム構築とその動作確認を行った。その結果インテグレース認識配列に挟まれたルシフェラーゼ遺伝子はインテグレースの発現により部位特異的組換えを起こし、ルシフェラーゼ活性の消失と共に蛍光タンパク質が発現する事を確認した。本年度はこのシステムを保持するマウス作成を目的として研究を行った。本レインボーレポーターシステムは安定発現とコピー数制御のためマウス人工染色体に搭載した。そのため通常のトランスフェクション法でES細胞に導入することが出来ず、微小核融合法を用いてCHO細胞からES細胞ヘレポーターシステムを保持する人工染色体のトランスファーを行った。もとより大変トランスファー効率の低い手法である事は示唆されていたが、CHO細胞からES細胞へのトランスファーは6度の試験を行っても目的のES細胞クローンを取得することは出来なかった。申請者の所属する研究室でこれまでに蓄積された結果より、CHO細胞から一度A9細胞に人工染色体のトランスファーを行った後にES細胞に入れる事で効率が非當に上がる事から、レインボーレポーターシステムを保持する人工染色体は微小核融合法によりマウスA9細胞へ移された。現在ES細胞への導入試験を行っている所であるが、この結果は、作成したシステムが他の細胞へ導入可能である事を示した。またA9細胞にインテグレースを発現させる事でレポーターシステム内にデザインされた発光から蛍光へ遺伝子発現が変わるシステムが動く事を確認出来た為、CHO細胞以外の細胞株に於いてもレポーターシステムが運用可能である事が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度ではレインボーレポーターをCHO細胞内で人工染色体に搭載し、そこからMMCT法を用いてレポーターを持ったES細胞を樹立しマウス作成を進める予定であったが、MMCT法の効率が非常に低くES細胞の樹立が未だ出来ていないため研究の進捗はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
レインボーレポーターシステムを用いたin vivoイメージングを行う為に、レポーターを搭載したマウスとインテグレースを搭載したマウス2系統を準備する予定であった。しかしながら進捗が遅れている為、キメラマウスにて実験を遂行する事を計画している。ES細胞にレインボーレポーターを搭載した後に高キメラ率のマウスを作成し、外部からウイルスやカチオン試薬で部位特異的なインテグレース発現を誘導し、組換えにより目的部位の可視化が可能であるか検証を行う。
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Research Products
(1 results)