2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規ペルオキシダーゼDyPの反応機構を分子レベルで明らかにする
Project/Area Number |
12J08664
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 徹 京都産業大学, 総合生命科学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | DyP / ペルオキシダーゼ / 触媒サイクル / ストップトフロー |
Research Abstract |
Dye-decolorizing peroxidase (DyP)-type peroxidase familyは新規のペルオキシダーゼファミリーであり、従来のペルオキシダーゼとの立体構造の違いが明らかにされてきた。しかし一方で、その触媒サイクルは解明されておらず、従来のペルオキシダーゼとの類似点、相違点は不明のままである。 そこで本研究では、DyP-type peroxidase familyの反応機構を、反応速度論の面から解明することを目的とした。実験対象として、立体構造情報が豊富なDyPを選択した。また実験は、ストップトフロー分光光度計を用いて行った。まず、DyPと過酸化水素の反応を調べた。その結果、DyPに対して1等量の過酸化水素が反応すると、中間体(DyP*と呼ぶ)が生じることが分かった、この過程は素反応であり、その反応速度定数は7.0×10~6M^<-1>S^<-1>であった。また、1等量以上過酸化水素を添加することにより、DyP*が他の状態へ変化することはなかった。次に、DyP*と基質の反応を調べた。DyP*は2等量の基質と反応することで反応前の状態(resting DyPと呼ぶ)に戻ったことから、DyP*はresting DyPと比較して2電子酸化された状態であると推測された。また、DyP*からresting DyPへ戻る過程は素反応ではなかった。そこで次に、DyP*からresting DyPへ戻る際に生じると考えられる中間体(DyP**と呼ぶ)の補足を試みた。しかし、反応をDyP**で止めることが出来ず、DyP**の補足には成功しなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(1 results)