2012 Fiscal Year Annual Research Report
ロボットによる人の道具利用行動観察に基づく行為目的と操作手段の関係認識と行動実現
Project/Area Number |
12J08765
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長濱 虎太郎 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 生活支援ロボット / 観察学習 / 重畳関係 / 複合ビジョンヘッド |
Research Abstract |
本研究の目的は,生活支援ロボットが人間を観察し,道具を用いた物体群操作の行動を獲得するための手法を実証的に明らかにすることである.実施計画に則り,複合ビジョンヘッドの改良,重畳関係を用いた道具の作用推定法の評価・改良とロボット自身の道具利用中の作用推定の評価を行った. 1.広視野・高視力複合ビジョンヘッドの改良 光学ズームカメラと輻輳機構,そして魚眼レンズを搭載したカメラを用いる従来の複合ビジョンヘッドでは,精度の良いステレオキャリブレーションが難しかった.解決策として,中程度の分解能を有する距離・カラー画像カメラ1基と,高分解能のカラー画像カメラ2基を結合した複合ビジョンヘッドへと改良した,この改良により,画像の最高分解能は従来ヘッドの半分程度となったものの,高精度の距離画像を取得することが可能となった. 2.重畳関係を用いた道具の作用推定法 観察学習において操作の種類を推定するために,視覚重畳関係と随伴性を用いる手法を導入した.この手法では,道具が操作対象に入り込み変形させる作用,あるいは道具で操作対象を支える作用について,視野内での道具と操作対象の領域の重なり関係に着目することで分類する.さらに,道具が操作対象を動かす作用を,双方の速度の類似性を評価することで分類する.これらの手がかりを組み合わせることで,キッチン環境での道具利用シーンをCUT/INSERT・MOVE・FORK・unknownの4種類に分類できることを明らかにした,さらに目玉焼きのような変形する対象の領域推定にグラフ切断を用いる手法,項目1の新ヘッドを用いるにあたり距離画像を併用する手法を,それぞれ導入した. 3.等身大ヒューマノイド自身の道具利用中の作用推定 項目2の手法をロボット自身の道具利用中に利用し,失敗復帰をすることで,ファイル操作やフライ返し操作のような道具利用行動の成功率が向上することを明らかにした.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複合ビジョンヘッドの改良,重畳関係を用いた道具の作用推定法の改良と,等身大ヒューマノイド自身の道具利用中における作用推定法の評価が,当初の計画通りに進行しているため.
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は,道具利用行動の視覚教示・動作再現中における視覚遮蔽・重畳関係に着目して研究を進めた. 来年度は,研究目的のもう一つの要点である,人間が教示中に動きそのものを見せないという時間方向の遮蔽について,観察学習への利用を検討する予定である.
|