2014 Fiscal Year Annual Research Report
錯体オリゴマーワイヤの単一鎖内電子移動の解析と外部刺激制御
Project/Area Number |
12J08850
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 啓明 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 半導体電極 / 水素終端化シリコン / 電子移動速度定数 / 金属錯体ワイヤ |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、水素終端化シリコン電極および金電極上に作製したビス(テルピリジン)鉄錯体ワイヤの電子輸送挙動調査を行った。錯体ワイヤ末端にフェロセンおよびトリアリールアミン部位を含む酸化還元活性配位子を導入し、サイクリックボルタンメトリーにてそれらの酸化還元挙動を観測した。トリアリールアミンが可逆で酸化ピークと還元ピークの電位差が小さい、高速な電子輸送が行われていることを示唆する結果を示したのに対し、フェロセンは1層のワイヤにおいても酸化還元ピーク電位差が大きなボルタモグラムを示し、電子移動速度が遅いことを示唆していた。末端酸化還元活性配位子と鉄錯体のHOMO準位、および電子輸送が行われるときのシリコンのバンド構造からこれらの現象を考察した。フェロセン-電極間の電子輸送が行われる際には、シリコンのバンド構造の歪みにより電子を電極に注入する際に大きなポテンシャル障壁が存在し、それにより電子輸送が阻害されていると考えられる。 また、当研究室で開発したパラジウム触媒により、ビス(テルピリジン)鉄錯体をケイ素-フェニレン架橋を介して固定した場合の鉄錯体-電極間の電子移動速度定数の評価を行った。従来のヒドロシリル化法を用いた場合のケイ素-ビニレン架橋を介した鉄錯体の電子移動速度定数と比較すると、フェニレン架橋の方が大きな速度定数を示していた。π共役系の拡張により、表面固定用配位子由来の分子軌道のエネルギーが上昇し鉄錯体のHOMO準位に近づいたことで、電子移動時に相互作用しやすくなったことが要因であると考えられる。 最後に電気化学インピーダンス法(EIS)による錯体ワイヤを介した末端酸化還元活性種-金電極間の電子移動速度定数解析法の検討を行った。EISより算出した速度定数はクロノアンペロメトリー法から算出した値と合致しており、EIS解析に用いた理論電気回路の妥当性を支持した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)