2012 Fiscal Year Annual Research Report
多様性指向型タンパク質化学合成法開拓を基盤とするCXCL14機能探索分子の創製
Project/Area Number |
12J08863
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
辻 耕平 徳島大学, 薬科学教育部, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ケモカイン / CXCL14 / タンパク質化学合成 / α-helix |
Research Abstract |
新規タンパク質化学合成法の開拓を基盤とするCXCL14作動薬、拮抗剤創製とCXCL14機能解明を本研究の目的とする。 CXCL14は77アミノ酸からなるCXC型ケモカインの一種であり、腫瘍形成や肥満性糖尿病への関与が示唆されている。本研究では、まずCXCL14誘導体ライブラリーを構築し、CXCL14アゴニストの創製へ展開する予定である。また従来の研究成果から、CXCL14(51-77)の二量体がCXCL14アンタゴニストとして機能するという知見を得ている。CXCL14(51-77)は特徴的なα-helix構造を有しているため、このα-helix構造の固定化がより強力な阻害活性を有するアンタゴニストの創製に繋がるという仮説を立てた。そこでα-helix構造固定化を指向した改変を加えたCXCL14(51-77)誘導体二量体を合成、活性評価し、この結果得られる知見を基に高活性アンタゴニストの創製を目指すこととした。 申請者は平成24年度、申請者らが開発したアニリド型ペプチドを用いたペプチドフラグメントの三成分one-pot連続縮合法が、CXCL14化学合成に適用可能であるかを検証し、ライブラリー構築を指向した効率的CXCL14化学合成法の確立に成功した。現在、本合成法を用い、種々のCXCL14誘導体を合成、活性評価中である。また同時進行で、CXCL14アンタゴニストの活性向上を試みた。すなわち申請者の開発したCXCL14アンタゴニストはα-helix構造をとると予測されたので、分子内塩橋形成によるα-helix構造の固定化を期待し、当該ペプチドのアミノ酸配列(i,i+4)の位置をGlu、Lysへと置換した誘導体を種々合成、活性評価した。その結果、CXCL14および天然型CXCL14(51-77)二量体よりも高い受容体親和性を有するCXCL14(51-77)二量体誘導体を得ることに成功した。現在、活性残基の抽出を指向した誘導体を種々合成、活性評価中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、平成24年度は簡便なCXCL14化学合成法を確立した。さらにCXCL,14アンタゴニスト開発において、従来のアンタゴニストより高い親和性を有する誘導体開発に成功したことから、平成24年度の研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続きCXCL14アゴニスト、アンタゴニストの創製研究を行う。前年度に確立したCXCL14化学合成法を用い、種々の誘導体を合成、活性評価しアゴニストの探索を行う。また同時進行で、すでに得られた構造活性相関情報を基にさらなるアゴニスト活性の向上を目指す。
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Research Products
(6 results)