2012 Fiscal Year Annual Research Report
マツノザイセンチュウの病原因子の解明とその進化的起源の検証
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12J09215
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
新屋 良治 中部大学, 応用生物学部, 特別研究員(SPD)
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Keywords | 遣伝子破壊 / ゲノム / 遺伝学 / マツノザイセンチュウ |
Research Abstract |
本年度はマツノザイセンチュウにおける遺伝子破壊法の開発を中心とした、Bursaphelenchus属線虫の遺伝学基盤の確立に取り組んだ。最初に線虫C. elegans研究において長く利用されてきたTMP/UV法を使用した変異体作出を試みた。本手法ではゲノム中にランダムに欠失変異が起こるため、PCR法を用いて目的遺伝子に変異が起こつた株をスクリーニングした。条件検討を重ねた結果、本手法によって遺伝子欠失が誘導できることが確認できた。しかしながら、変異導入の効率が低く、また目的遺伝子の変異をホモに有する変異体を分離することが困難であった。そこで、遺伝子破壊法を最適化するために、マツノザイセンチュウの近縁種で雌雄同体の生殖様式を有するBursaphelenchus okinawaensisを用いることとした。手法の最適化の後、本線虫においては容易に変異体を作出が可能となった。現在では本線虫とマツノザイセンチュウの両方を用いて、標的遺伝子破壊法の開発を行つている。本年度中における別の成果として、マツノザイセンチュウ近縁種間における比較ゲノム解析が進行したことも挙げられる。H24年度中に、野外からの線虫の取得と一部のゲノム配列の取得が完了した。現在ではゲノム配列の取得を継続するとともに、取得された配列の解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
遺伝子破壊手法の開発という点においては部分的な成功に留まってしまったが、雌雄同体のマツノザイセンチュウ近縁種の発見という当初想定していなかった発見やゲノム解析の計画以上の進展など今後の研究に有用な成果が数多く得られたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は新たに発見した雌雄同体の近縁種を上手く利用しながらマツノザイセンチュウにおける遺伝子破壊手法の開発を進めていく。初年度の研究により、雌雄異体のマツノザイセンチュウではランダム変異導入手法による効率の良い変異体取得が難しいことが明らかになった。今後は雌雄同体の近縁種も同時に使用しながら、マーカーを利用した標的遺伝子破壊手法の開発に取り組む計画である。また、ゲノム解析に関しては次年度以降も継続して配列の取得とデータの解析を行っていく。
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Research Products
(6 results)