2014 Fiscal Year Annual Research Report
マントル物質の高圧相転移・ダイナミックスの解明と新規ポストスピネル相の探索と物性
Project/Area Number |
12J09330
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
石井 貴之 学習院大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高圧実験 / ポストスピネル / 透過型電子顕微鏡 / 粉末X線回折 / 単結晶X線回折 / マントル / 沈み込むプレート / マントル上昇流 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題のAB2O4新規ポストスピネル相の探索に関して、合成に成功した未知相であるMgFe2O4高圧相について、バイロイト大学バイエルン地球科学研究所で透過型電子顕微鏡を用いて、格子定数、空間群の決定を行った。その結果、格子定数、空間群は粉末X線回折から得られた結果と一致していることが分かった。現在、粉末X線回折データから結晶構造の決定を試みている。その他に、新たにCaFe2O4型MnCr2O4、CaTi2O4型FeV2O4新規高圧相の合成に成功した。以上の結果は、ポストスピネル相の安定性を理解する上で重要な結果である。これらの結果について国際誌に論文投稿する予定である。また、MgCr2O4の高圧相として本研究により発見されたMg2Cr2O5の結晶構造解析を透過型電子顕微鏡(TEM)法と単結晶X線回折法から行った。高分解能TEM像から微細構造モデルを立て、そのモデル構造が特異な制限視野電子線回折パターンを良く説明することができることを明らかにした。単結晶X線回折からは、平均的な構造が粉末X線回折から得られる構造と同じであることを確かめ、粉末X線回折よりも精密に結晶構造に関するパラメーターを決定した。この結果は、結晶化学的に珍しい発見であり、この内容に関して国内の学会で発表するとともに、現在国際誌への投稿の為、論文を執筆中である。 また、前年度に明らかにしたマントル岩石であるパイロライト、ハルツバージャイト、中央海嶺玄武岩の1600~2200℃でのマントル660 km不連続面付近の高温高圧相関係について、新たに約12~20 GPaでの高温高圧相関係を決定した。この結果は、沈み込むプレート、マントル上昇流中の鉱物組み合わせを下部マントル最上部まで明らかにした点で重要である。この内容に関して、国内の学会において発表を行い、現在論文を執筆中である。 上記の内容とこの3年間で得られた結果を総括し、博士論文を執筆した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)