2014 Fiscal Year Annual Research Report
生体用チタン合金の六方晶マルテンサイトによる超弾性発現機構の解明と展開
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12J09335
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
篠原 百合 東京工業大学, 総合理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | チタン / 形状記憶合金 |
Outline of Annual Research Achievements |
Ti-Niに匹敵する巨大超弾性歪みの発現を実現するために,大きな格子変形歪みを持つTi-Au-Cr-Zr合金に着目した.前年度は冷却で形成されるマルテンサイトの結晶構造と,応力負荷によって誘起させたマルテンサイトの内部組織を明らかにした.その結果,本合金を冷却することによって形成されるマルテンサイトは,格子定数比b/aの値が六方晶のそれに近い斜方晶マルテンサイトであることが明らかになり,母相と応力誘起マルテンサイト内部でathermal Omega相の分布状態が異なることを明らかにした.本年度は,応力誘起させたマルテンサイトの詳細な内部組織観察を行った. 電子回折図形を解析した結果,応力誘起マルテンサイトの格子定数比b/aは1.67であり,冷却で形成されるマルテンサイトと同様に,六方晶(b/a=1.73)に近い斜方晶マルテンサイトであることが明らかになった.また,母相内部では急冷によって形成される粒状のathermal Omega相(六方晶)とathermal Omega相に由来する散漫散乱が観察された.athermal Omega相の粒径は5nm程度であった.一方,応力誘起したマルテンサイトの内部ではathermal Omega相が観察されず,対応する位置に散漫散乱も見られなかった.そのため,athermal Omega相は応力マルテンサイトから母相への逆変態時のバリアント選択には影響を及ぼさないことが示唆される.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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