2013 Fiscal Year Annual Research Report
多粒子天文学による最高エネルギー宇宙線の起源の探求
Project/Area Number |
12J09375
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
高見 一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 最高エネルギー宇宙線 / 中性子星 / 活動銀河核 |
Research Abstract |
本年度は昨年度提唱した中性子星連星合体に伴う最高エネルギー宇宙線生成に関する検討をさらに進めた。2013年6月に中性子星連星合体に付随すると考えられる赤外線発光現象が初めて検出され、世界中の関連研究者の注目を集めた。この現象はすぐさま連星合体に伴うr過程元素合成に基づく発光として解釈された。これが正しければ、連星合体では超重元素が宇宙線として加速されることになる。一方で、銀河系外起源と考えられているエネルギー帯の宇宙線の中に超重元素はまだ観測されていない。このため、超重元素がなくても観測を説明するような発光が起こるダストモデルを提唱した。二つのシナリオは今後の観測によって検証可能で、その観測は中性子星連星合体に伴って放出されるガス、ひいては生成される宇宙線の組成を決めることが出来る。 また、本年度は活動銀河核からのガンマ線放射の中に最高エネルギー宇宙線起源のものと期待されるシグナルを発見した。高エネルギーのガンマ線は宇宙中の銀河が放射した背景光によって吸収されることが知られている。活動銀河核の中にはこの吸収を受けているにも関わらず、高エネルギーで非常に硬い冪のスペクトルを持つ天体がいくつか発見されて来ている(吸収と矛盾はしない)。こういった硬い冪を持つ活動銀河核からのガンマ線の起源として、最高エネルギー宇宙線起源の電磁カスケードによるものが近年提案された。このシナリオが確認されれば、最高エネルギー宇宙線の起源の同定に繋がる。我々の過去の研究により二つのシナリオはより遠方で形の違うスペクトルを予言する。これに基づいて、遠方で硬い冪のスペクトルを持つ活動銀河核に二つのシナリオを適用してみたところ、宇宙線起源のシナリオが好まれることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は昨年度行なった研究の進め方の順番変更に従って個別具体の天体からの最高エネルギー宇宙線シグナルを探査する研究を行なうことができた。この順番変更によって研究全体の方針が崩れることなく、ペースも順調に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究順序の入れ替えによって、今年度は当初初年度に予定されていた最高エネルギー宇宙線の伝搬過程に着目して宇宙線源種をどう観測的に区別できるかを検討する。
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Research Products
(22 results)
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[Presentation] Secondary gamma rays from AGN2014
Author(s)
Hajime Takami
Organizer
Understanding Relativistic Jets by Polarimetry and Synergetic Study from Radio to TeV
Place of Presentation
Hiroshima University, Japan
Year and Date
2014-03-26
Invited
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