2013 Fiscal Year Annual Research Report
単純アルケンならびにアルカンと二酸化炭素からの触媒的飽和カルボン酸合成法の開発
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12J09618
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐々野 浩太 東京工業大学, 大学院理工学研究科(理学系), 特別研究員(DC2)
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Keywords | 二酸化炭素 / パラジウム触媒 / 炭素-水素結合官能基化 |
Research Abstract |
前年度に見出したPd(II)触媒による2-ヒドロキシスチレン類のアルケニル炭素-水素結合の直接的カルボキシル化反応を単純炭化水素へ適用するべく研究を行った。これをアルカン類に適用することができれば, 当初想定していた単純アルカンの連続的脱水素-ヒドロカルボキシル化反応に比べ、より直截的な飽和カルボン酸合成法となることが期待できる。そこで、その足掛かりとして2-ヒドロキシスチレン類のアルケニル炭素一水素結合の直接カルボキシル化反応における反応機構の解明を目指し検討を行った。 その結果、2-ヒドロキシスチレンのアルケニル炭素一水素結合の切断が進行した6員環パラダサイクルに対し、もう1分子の基質がセシウム塩として配位したアルケニルパラジウム錯体がカルボキシル化の活性種であることを明らかとした。また、生じたアルケニルパラジウム錯体による二酸化炭素への求核付加は可逆的に進行し、これによって平衡的に生成したパラジウムカルボキシラート錯体に対し、3分子目の基質がセシウムフェノキシドとして作用し、触媒サイクルからセシウムカルボキシラートを放出することで反応が円滑に進行することを見出した。加えて、触媒反応条件下、反応速度解析を行い、このパラジウムカルボキシラート錯体とセシウムフェノキシドが交換する段階が本反応の律速段階であることを明らかとした。 以上の知見は、パラジウム触媒を用いた炭素-水素結合の直接的カルボキシル化反応をより単純な基質に適用するうえで、重要な指針を与えるものである。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(5 results)