2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J09691
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
ダリル ハメド 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 半導体レーザ / 面発光レーザ / 光通信 / 高速変調 |
Research Abstract |
本研究では,我が国発の独創的発光デバイスである面発光レーザ技術を基に,現在の直接変調半導体レーザの高速化の限界を超える超高速面発光レーザを実現するための基盤技術開拓を目指し,面発光レーザと同一面内に集積された光の一部を結合・帰還させる新構造導波路を設計・製作して,光の帰還により面発光レーザの直接変調動作の高速化を図り,40Gbps級の直接変調技術基盤を確立することを目的に研究を進めた.平成24年度は面発光レーザの高速化技術について,光帰還回路の構成法とその製作技術の確立と,直接変調の高速化の効果を検討することを重点的に行い,以下の成果を得た. 1)光帰還を用いた高速化のための光帰還回路の構成法の設計・直接変調特性のモデリング 光帰還を用いた面発光レーザの新しい高速化手法の開拓では,面発光レーザと同一面内集積された光の一部を結合・帰還させる新構造導波路(Bow-tie構造)を提案して,光の帰還により面発光レーザの高速化を図る共振器設計を行った.レート方程式による変調特性の解析を行い,通常構造に比べて約30%程度の変調帯域の増大が期待できることを明らかにした. 2)スローライト導波路集積と光結合のための結合手法の構造検討 上述した光帰還を実現するための面発光レーザと光帰還用スローライト導波路との横方向集積の基本構造の製作技術を確立した.新規な酸化狭窄構造の導入より,面発光レーザ共振器から,スローライト導波路へ直接高効率に結合するBow-Tie酸化構造の製作プロセスを確立した. 3)光帰還面発光レーザの製作と評価 上記プロセスを用いてBow Tie酸化構造の結合光帰還面発光レーザを製作し,レーザ発振に成功し,精特性を評価するとともに,小信号特性の初期評価を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
面発光レーザ共振器からスローライト導波路へ直接高効率に結合するBow-Tie酸化構造を有する面発光レーザの製作に成功し,高速変調の特性評価にも既に着手している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度以降は,24年度での成果を踏まえて,以下の研究を推進する. 1)光帰還を用いた高速化のための光帰還構造面発光レーザのモデリング レート方程式による変調特性の解析を行い,40Gbpsを越える直接変調帯域の極限性能を明らかにする. 2)光帰還を用いた高速化のための光帰還構造面発光レーザの製作と評価 Bow Tie酸化狭窄構造面発光レーザを製作し,電気的アイソレーションをプロトンイオン打ち込みなどで改善し,その変調特性を明らかにするとともに,小信号変調特性,大信号変調特性の動特性評価を行う. 3)差動変調方式の面発光レーザのモデリングと製作・評価 上述した微小酸化構造を用いて,完全対象構造の結合共振器を製作し,その動特性のモデリングを行うとともに,実験的にその動特性評価を行い,差動変調方式の帯域拡大効果を検証する。
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Research Products
(3 results)