2012 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ-磁性流体ハイブリッド方式のディーゼルナノ微粒子浄化システムの新機能解明
Project/Area Number |
12J09848
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
桑原 拓也 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 非熱プラズマ / 粒子状物質 / ディーゼル排ガス / フィルタ / 環境保全 / ナノ粒子 / 放電 / 大気汚染物質 |
Research Abstract |
非熱プラズマおよび磁性流体を用いたディーゼル微粒子フィルター(DPF)によるディーゼルナノ微粒子の浄化システムを提案し、その新機能を解明する。最終目標として100nmのディーゼル微粒子浄化を目指す。システムの原理の確立、システムの構築、実験、性能評価という一連の研究を行い、ディーゼル微粒子(PM)浄化のためのPMの磁性流体への吸着機能とプラズマ形成オゾンによる磁性流体(液体)中のPM捕集と酸化機能,磁性流体の触媒機能の解明が研究目的である。 今年度の成果は以下の通りである。 1.PMとオゾンの酸化現象の解明:オゾン発生装置およびガス計測機器を選定した。既存のDPFによりディーゼル排ガスに含まれるPMを捕集し、オゾンにより捕集したすべてのPMを酸化燃焼するDPF完全再生実験を実施した。実験により、これまで明らかではなかった排ガス中のすべてのPMがオゾンにより酸化することが可能であることを実証した。また、実験結果と反応式の考察より、PM濃度とオゾン濃度からDPFを再生する理論式を求めた。磁性流体DPF構築のためのPMとオゾンの酸化反応の重要なデータならびに理論を得た。 2.ナノ微粒子の高効率捕集方法の検討:ナノPMの効率的な捕集方法を検討した。検討の結果、放電により粒子を帯電し捕集するパルスコロナ放電プラズマ方式を採用し、ナノ粒子捕集用のプラズマリアクタを作成した。プラズマリアクタにおけるナノ微粒子の水液膜への付着捕集に関する実験を実施した。5種類のナノサイズの標準粒子(粒子径29,48,100,202,309nm)を処理の対象として、各粒子径で水液膜がない場合(乾式)とある場合(湿式)で捕集実験を行った。その結果、乾式で67.2%以上、湿式では98.5%以上の粒子捕集率を達成した。この成果により磁性流体DPFの設計に展開するための方向性を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目標の100nmサイズのナノ粒子捕集除去に対して、径29nmのナノ粒子を98%以上捕集することができ、期待を遥かに上回る成果を得た。PMとオゾンの酸化現象の解明は除去効率の向上に必要不可欠なだけでなく、学術的にも価値が高い。これらの成果は本研究の中核をなすものであり、計画以上の進展と評価できる。しかし、磁性流体の触媒機能解明のための試験方法・条件の検討が当初予定に比べて進んでいないため、上記の評価とする。
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Strategy for Future Research Activity |
パルスコロナ放電プラズマ方式のナノ微粒子捕集において、処理ガス流量条件や放電条件、実験回数を増やして捕集性能の詳細な定量的評価を行う。今年度は単一粒子径ごとに捕集性能を調べたが、次年度は、実際の排ガスを模擬して粒子径分布のある微粒子を含むガスを対象に捕集効率を調査する。微分型静電分級器(DMA)による微粒子分析を導入して実験を行う。最適な放電条件を求め、省エネルギー・高効率ナノ微粒子捕集を達成する。実験の結果をもとに最終的な磁性流体DPFの構造および再生方法を決定し、装置を作成する。磁性流体を用いたナノ微粒子捕集の実験および解析へと展開する。
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Research Products
(5 results)