2012 Fiscal Year Annual Research Report
高精度な圧力/温度分布計測を実現するPSP/TSP複合センサの開発
Project/Area Number |
12J10009
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
亀谷 知宏 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 感圧塗料 / 感温塗料 / 2色発光PSP / インクジェット |
Research Abstract |
圧力/温度分布の高精度な計測を可能とするPSP/TSP複合センサの開発として,本年度はまず,インクジェット技術を用いてPSPとTSPを微細に塗り分けた配列型2色発光PSPを作製した.そして作製した複合センサの静的特性を調査し,従来の混合型の複合センサやPSP及びTSPの単独塗布サンプルと比較することで,配列型2色発光PSPの利点及び不利点を明らかにした. PSP色素及びTSP色素にはそれぞれPtTFPP,CdSe/ZnSを用いた.これらの色素を用いた混合型2色発光PSPは,発光の経時特性が励起光照射下において明らかに悪化した.一方,配列型2色発光PSPの発光の励起光照射下における経時特性は各色素の単独塗布サンプルの特性と同程度であることが明らかになった.また配列型2色発光PSPの圧力感度及び温度感度は,色素を単独で使用したときと比較すると若干小さな値となった.これは配列状に塗布したことによって生じる色素が塗布されていない部分の影響であり,配列型2色発光PSPにおいて避けることはできない.PSPの圧力感度とTSPの温度感度は高いことが求められるため感度の低下は不利点であるが,PSPの温度感度とTSPの圧力感度は低いことが求められるため利点であり,配列状に塗り分けることによる感度低下はセンサ特性に対して一長一短であると考えられる.さらに不利点と考えられるPSPの圧力感度とTSPの温度感度に関しても,従来使用されてきた他の色素の感度と遜色ない感度が得られていることから,実用上問題ないと考えられる. 以上の結果から,私が提案する配列型2色発光PSPは,混合により特性の悪化が見られるような色素の組み合わせでも,色素の特性を大きく損なうことなく複合化できることが明らかとなり,圧力と温度分布を同時に計測できる複合センサとして有望であると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた溶液条件及び吐出条件の決定,サンプル作製装置の構築,配列型2色発光PSPの作製及び静的特性の調査,そして実証試験装置及びステレオビューアの作製まで順調に進めることができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り,1年目で構築した衝突噴流装置を用いて配列型2色発光PSPの実証試験を行う.ただし,温度分布を電熱線により形成することを考えていたが,噴流を衝突させるだけで圧力分布と温度分布が同時に形成できることを確認したため,電熱線を廃止する.衝突噴流による圧力場を配列型2色発光PSPにより計測し,圧力孔との計測結果と比較することでその実用性を評価する.
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Research Products
(8 results)