2012 Fiscal Year Annual Research Report
コジェネレーション排熱利用する顕熱・潜熱分離デシカント空調システムの開発
Project/Area Number |
12J10051
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
朴 炳龍 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | コジェネレーション / バッチ式デシカントシステム / システムの性能 / 実験 / 数値解析 / 適用性検討 |
Research Abstract |
【概要】コジェネレーションの排熱及び太陽熱利用システムにより,莫大な低温の排熱が生じると予想され低温排熱の有効利用技術を開発して建築部門のエネルギーを飛躍的に低減する。本研究はその点に注目し、低温排熱を空調に利用する技術開発を実施した。 【研究目的】低温排熱を利用するバッチ式デシカント外気処理システムを開発し,設計及び試作しシステムの性能とその有効性評価を目的とする。 【研究内容,研究方法,実施体制】 Step1(1)低温排熱利用バッチ式デシカントシステム設計・試作 提案システムとは,吸着性能や熱特性に優れた新規吸着材1)を熱交換器に直接塗布した構造で,熱源として低温排熱温水を利用するものであり,熱交換器に吸着した水分を放出(吸着材の再生)する時の必要な熱を熱交換器から直接得る革新的なシステムである。このシステムは,装置内に吸着材を塗布した熱交換器2台が設置されており,夏期の場合冷水による熱交換器で冷却しながら空気中の水分を吸着(除湿)し,同時に別の熱交換器で,温水による加熱しながら吸着した水分を空気中に放出(加湿)する作動原理を持つ。実際システムを設計と製作を行った。 Step2(2)実験によるシステムの特性と省エネルギー性能評価 提案システムの精密な数値解析モデルを作成するために実証実験装置の設計・製作の上、様々条件下において運転データを取得した。実験は「提案システムの構成要素である吸着剤が塗布された水・空気式熱交換器に供給する冷・温水流入温度と流量の変化による水蒸気吸・脱着性能の評価実験を行った。吸・脱着特性と調湿量の関係および吸・脱着完了時間の検討結果から、提案システム連続運転に必要なサーマルサイクル時間の最適値も求めた。 また、「外気温・湿度の変化による提案システム吸・脱着を一定のサイクル(交互に繰り返し)で連続運転した場合の空気加熱・水蒸気脱着(加湿)および空気冷却・水蒸気吸着(除湿)性能」の運転データの収集を行った。 Step3(3)提案システムの数値解析モデルの開発 提案システムの性能を評価するための数値解析モデルを作成し実験結果との比較を行い数値解析モデルの妥当性を検証している。なお、数値解析モデルを用い、サーマルサイクルの時間変化によるシステムの性能に与える影響に関して感度分析を行った。その結果、サーマルサイクルの時間変動が加湿性能・除湿性能に与える影響について精度よく予測することを確認した。また、事務室を対象として提案システムの省エネルギー効果及び室内の温熱環境調節性能を検討した。
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Research Products
(6 results)