2012 Fiscal Year Annual Research Report
核酸-金属-有機構造体(NAMOF)による光電変換分子デバイスの構築
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12J10091
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
藤本 健史 甲南大学, フロンティアサイエンス研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | DNA四重らせん構造 / DNAナノ構造体 / 金属フタロシアニン / グラフェン酸化物 / 分子認識 / 自己組織化 / 非理想溶液環境 / 光電変換デバイス |
Research Abstract |
本研究の目的は、核酸一金属一有機構造体(NAMOF)による光電変換分子デバイスの構築である。目的達成のため、(1)DNAナノ構造体に四重らせん構造を導入、(2)金属錯体を集積した1次元ナノ構造体の構築、(3)DNAとグラフェン酸化物(GO)の相互作用の定量化の3つの計画を立てた。(1)に関して、DNAタイルに導入する四重らせん構造の配列及び溶液環境を検討するため、非理想溶液環境下におけるDNA四重らせん構造とその熱力学的安定性について検討した。その結果、DNA四重らせん構造のループ領域で形成するスタッキング相互作用が、非理想溶液環境下における四重らせん構造に重要であることがわかった。これにより、二次元ナノ構造体の粘着末端に導入する四重らせん構造を形成する配列の知見が得られた。(2)に関して、NAMOFに導入する金属フタロシアニンについて検討した。金属フタロシアニンは、広いπ平面をもち色素増感型太陽電池にも使用される金属錯体であるため、光電変換デバイスであるNAMOFを構築する材料として有用であることが分かった。さらに、異核のフタロシアニンをDNAナノ構造体に導入する検討を行った。具体的には、非相補的な配列をそれぞれアニーリングし、粘着末端に四重らせん構造を形成させた。それぞれの配列に、銅及び亜鉛フタロシアニンを導入し、二つの配列をハイブリダイゼーションさせた。これにより、銅及び亜鉛の異核のフタロシアニンが配向したDNAナノワイアーを構築することができた。(3)に関して、GOとDNAの一本鎖、二重らせん構造及び四重らせん構造の親和性を定量的に評価した。定量的な検討の結果、GOとそれぞれのDNAの見かけの結合定数はほとんど変わらないことが明らかになった。以上のことから、二重らせん構造と四重らせん構造からなるDNAナノ構造体をGOへ吸着させることが可能になった。(794字)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度では、DNA四重らせん構造に関する論文及び金属フタロシアニンに関する論文をそれぞれ1報ずつまとめている。加えて、GOとDNAの親和性に関する研究に関しても、国際学会で報告している。このように、NAMOFによる光電変換デバイスの構築に向けて着実に研究を遂行している。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度の研究から今後の方針として以下の3点ある。 (1)四重らせん構造の熱力学的安定性のデータをもとにして、四重らせん構造を導入したDNAタイルを構築する。 (2)DNAワイアーに異核のフタロシアニンを導入した手法を用いて、二次元DNAタイルに異核のフタロシアニンを導入する。 (3)GOとDNAの親和性の結果をもとに、GOに二次元DNAタイルを吸着させる。 以上のようにして、NAMOFの構築を行う。
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Research Products
(9 results)