2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J10271
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
進 寛明 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | コンデンシンI/II / セントロメア / 体細胞分裂 |
Research Abstract |
セントロメアに形成されるキネトコアと微小管との正しい結合(二方向性結合)は、正確な染色体分配に必須である。これまでに、ヒト細胞において染色体凝縮因子であるコンデンシン1とコンデンシンIIは、共にセントロメアに集積していることが知られていたが、セントロメアでの機能については未解明の点が多かった。そこで私は、HeLaヒト培養細胞を用いてコンデンシンのRNAiの表現型を詳細に比較し、2種類のコンデンシンのセントロメアにおける機能の違いについて検証を行った。その結果、コンデンシン1の発現を抑制した細胞でのみ、二つの姉妹キネトコアが一方向からの微小管に捉えられてしまうシンテリック結合の出現頻度が有意に上昇した。一方、コンデンシンIIの発現を抑制した細胞特異的に、姉妹キネトコアのうちの一つが両方向からの微小管により捉えられてしまい、キネトコアの形が変形して見えるメロテリック結合の出現頻度が有意に増加した。さらに、メロテリック結合が一定の頻度で見られる細胞においてコンデンシンIIをキネトコアに強制的に局在させたところ、メロテリック結合の出現頻度が抑制された。これらの機能解析より、コンデンシン1はインナーセントロメア領域の凝縮を介して特にシンテリック結合の効率的な修正に機能し、コンデンシンIIはキネトコア領域の凝縮を介してメロテリック結合の効率的な修正に機能することが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究テーマは変更したが、今まで未解明だったセントロメアでのコンデンシンIとコンデンシンIIの機能の違いをいくつか明らかにすることが出来た為。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後もヒト培養細胞を用いて、コンデンシンIとIIのセントロメア領域での機能差異を明らかにしていきたい。セントロメアの構造をより微細な変化を観察するために電子顕微鏡を用いた実験も計画中である。
|