2013 Fiscal Year Annual Research Report
病原体細胞壁成分依存に産生されるカイコ腸管由来サイトカイン活性化因子の機能解析
Project/Area Number |
12J10632
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今村 亮俊 東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | カイコ / 自然免疫 / 昆虫サイトカイン / 腸管 |
Research Abstract |
多細胞生物は、体内に侵入した病原性微生物を排除するために免疫システムを獲得してきた。このうち自然免疫系は、昆虫からほ乳類まで高度に保存されている。自然免疫系は感染防御の第一線として働き、多様な免疫応答を制御している。多様な免疫応答が協調して働くためには、細胞間で情報を伝達するサイトカインの存在が必要不可欠である。近年、自然免疫応答の制御メカニズムを解明する上で、単純な生理システムを有し、自然免疫システム系に依存しており、体液採取及び組織摘出が容易で生化学的解析に適するカイコ(Bombyx mori)をモデル動物として、自然免疫系の調節機構に関する研究を行っている。その中で昆虫サイトカインPPは自然免疫制御因子であり、細菌感染症に対する宿主抵抗性に重要な役割を果たすことを見出だしてきた。さらに、昆虫サイトカインPPの活性化に腸管が関与することを明らかとした。今年度の研究では、微生物の細胞壁成分によってカイコの腸管から誘導される新規PP活性化因子の同定と機能解析、及び誘導機構の解明を目指す。その目的において、腸管から産生される昆虫サイトカインPPの活性化因子の精製を行ってきた。これらを通じて、腸管において誘導される自然免疫活性化の個体における役割を初めて明らかにする目的である。本研究の遂行により、腸管が全身性免疫応答に関わるサイトカインの制御に寄与するという新しい概念を提示し、さらにその詳しい分子メカニズムにまで迫ることが出来ると期待される。さらに、自然免疫システムは生物間に保存されているにも関わらず、昆虫においてサイトカインネットワークに関する研究例は未だない。本研究は、自然免疫系だけを有する昆虫においてもサイトカインネットワークの存在を初めて示唆するものであり、サイトカインネットワークが免疫応答の重要な反応で、種間を超えて保存されている重要な複雑系として成り立っていることを明らかに出来ると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
カイコ腸管から産生される昆虫サイトカインparalytic peptide活性化因子の精製をテーマにしているが、カイコ2万匹からの精製を行ったが活性はあるが物質を検出することが出来なかったため、精製出来ているか否かの判断が出来ず、精製を終わらせることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
カイコ腸管から精製することは難しいと判断した。そのため、今後はカイコ由来培養細胞に刺激を加えることで、昆虫サイトカインPPの活性化が引き起こされるか、などを検証し、大量に採れる系を確立していこうと考えている。
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[Journal Article] Long noncoding RNA NEAT1-dependent SFPQ relocation from promoter region to paraspeckle mediates IL8 expression upon immune stimuli.2014
Author(s)
Imamura K, Imamachi N, Akizuki G, Kumakura M, Kawaguchi A, Nagata K, Kato A, Kawaguchi Y, Sato H, Yoneda M, Kai C, Yada T, Suzuki Y, Yamada T, Ozawa T, Kaneki K, Inoue T, Kobayashi M, Kodama T. Wade Y. Sekimizu K. Akimitsu N.
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Journal Title
Mol Cell.
Volume: 53(3)
Pages: 393-406
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Long ncRNA NEAT1-dependent SFPQ relocation between nuclear body paraspeckle and gene promoter region mediates the transcription of IL8 gene in immune response2013
Author(s)
Katsutoshi Imamura, Gen Akizuki, Naoto Imamachi, Michiko Kumakura, Atsushi Kawaguchi, Kyosuke Nagai, Akihisa Kato, Yasushi Kawaguchi, Hiroki Sato, Misako Yoneda, Chieko Kai, Tetsushi Yada, Shinichi Nakagawa, Kiyomi Kaneki, Kenji Inoue, Tatsuhiko Kodama, Youichiro Wada, Kazuhisa Sekimizu, Nobuyoshi Akimitsu
Organizer
RNA 2013 The 18th Annual Meeting of the RNA Society
Place of Presentation
the Congress Center Davos in Davos Switzerland
Year and Date
2013-06-14
Invited
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