2014 Fiscal Year Annual Research Report
ネムリユスリカの極限乾燥耐性に関わる新規ストレスタンパク質の機能解析
Project/Area Number |
12J10847
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
畑中 理恵 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫機能研究開発ユニット, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | LEAタンパク質 / 乾燥耐性 / ネムリユスリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はネムリユスリカの極限乾燥耐性の分子機構解明を目指し、新規ストレスタンパク質「PvLEA」の網羅的な機能解析により極限乾燥耐性におけるPvLEAの生理・生化学および物理化学的役割を明らかにすることを目的とした。 本年度は、ネムリユスリカで見つかった全27個のPvLea遺伝子の乾燥・再水和過程における発現解析および細胞内局在の解析を行った。ネムリユスリカ幼虫が極限的な乾燥耐性を発揮するためには、48時間かけてゆっくりと乾燥する必要がある。乾燥48時間および再水和後のPvLea遺伝子の発現変動をより詳細に(6-8時間ごとに)解析したところ、発現パターンを4つのグループに分類することができた。共通点としては、すべてのPvLea遺伝子が乾燥開始8-12時間に発現ピークをもつことが挙げられる。グループ1と2は、乾燥初期(乾燥8-12時間)に発現ピークを持ち、かつ、乾燥後期(乾燥36時間)にも発現ピークを持つ。グループ1は、乾燥初期のピークの方が乾燥後期よりも高く、グループ2は、乾燥後期のピークの方が乾燥初期よりも高いという違いがある。グループ3は、乾燥過程で発現ピークを2つ示すのみならず、再水和過程で再度遺伝子発現が見られる。グループ4は、乾燥初期に発現ピークを示し、それ以降は遺伝子発現に変化が見られない。また、PvLea遺伝子の発現場所は、主に細胞質であることが観察されたが、一部は細胞膜や小胞体で多く発現しているものも観察された。ネムリユスリカにPvLea遺伝子が27個あるが、すべて同じ発現パターンを持つわけではなく、遺伝子発現のタイミング、発現量、そして発現場所や組み合わせが多岐に渡ることが示された。本研究成果は、ネムリユスリカの乾燥応答および、乾燥耐性関連遺伝子の発現制御機構の解明に際し、新たな知見をもたらした。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)