2013 Fiscal Year Annual Research Report
脳虚血におけるアストロサイトの活動およびニューロンや血管との相互作用の解明
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12J10890
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宇治田 早紀子 東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | グリア細胞 / 光学イメージング / 脳虚血 |
Research Abstract |
申請研究では、グリア細胞の一種であるアストロサイトについて、脳虚血時の変化に着目している。アストロサイトは活発に細胞内カルシウム濃度変動(カルシウム活動)を起こすことが知られている。本研究では、このアストロサイトのカルシウム活動の観察により、虚血状態における機能の変化を解明することで、システムレベルの研究を目指している。 本年度は、蓄積したデータをもとに、周期的活動の薬理学的な誘導を試み、シグナル経路の違いによって、異なる特徴を持つ周期的活動を誘発することが可能であることを明らかとした。また、その作用にせまるため、光遺伝学的手法や薬理学的手法を併せたアプローチを試みた。中でも、生体動物において、周期的活動を誘導し、アストロサイトの形態変化に及ぼす影響を現在検討中である。 この周期的活動が、アストロサイトの形態変化を修飾し得る可能性は高く、その場合、周期的活動そのものが、虚血時におけるアストロサイト応答の重要なパラメータとなると予想される。 また、国内外の学会発表に意欲的に取り組み、分野の最新情報を知るとともに、自身の研究について指針を得た。中でも、国際学会Optogenetic2013では、英語のシンポジウム発表を依頼され、十分にその力を発揮した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アストロサイトのカルシウム活動の制御方法について習得した他、微細突起イメージングの重要なツールを入手した。蓄積したデータをもとに、全く新しい観点で、虚血時におけるアストロサイト応答を定量することが可能と予想されるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策として、微細構造イメージングを用い、虚血時における変化を観察することが挙げられる。この際、前年度に入手した遺伝子改変動物を使用する。 また、周期性の活動について、虚血反応のパラメータとしての意義に迫るため、生体内で周期性活動を誘導し、形態変化に対する影響を調査する。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] シナプス可塑性による海馬回路活動の制御2013
Author(s)
T. Kitanishi, S. Ujita, M. Fallahnezhad, N. Kitanishi, Y. Ikegaya, A. Tashiro
Organizer
メゾ回路領域会議
Place of Presentation
KKR熱海(静岡県)
Year and Date
20130921-22
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