2014 Fiscal Year Annual Research Report
脳虚血におけるアストロサイトの活動およびニューロンや血管との相互作用の解明
Project/Area Number |
12J10890
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宇治田 早紀子 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | アストロサイト / 脳虚血 / カルシウム活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請研究では、グリア細胞の一種であるアストロサイトについて、脳虚血時の変化に着目している。アストロサイトは活発に細胞内カルシウム濃度変動(カルシウム活動)を起こすことが知られている。本研究では、このアストロサイトのカルシウム活動の観察により、虚血状態における変化を解明することで、システムレベルの研究を目指している。 本研究では、第一に、アストロサイトのカルシウム活動について大規模にイメージングを行った。従来の研究では数十個のアストロサイトについて、10-20分程度の記録を行うに留まっていたが、本研究では1時間にわたり、200以上のアストロサイトについてイメージングすることに成功している。この大規模イメージングのデータを用い、まずアストロサイトのカルシウム活動について基本的な特徴を把握するための解析を行った。具体的には、カルシウム活動の時間軸に沿ったパターンに着目した。その結果、一部のアストロサイトが特徴的な周期的活動を示すことが分かり、この活動の時空間的特徴と、細胞間・細胞内伝播を明らかとした。さらに、高倍対物レンズを用いた微細構造イメージングを行い、この活動パターン中に見られる複雑な細胞内カルシウム動態を明らかとした。次に、薬理学的・組織学的な検討によって、周期的な活動の意義とメカニズムの更なる解析を試みた。まず、周期的な活動が、in vitro 脳虚血モデルにおいて増加することを明らかにした。またこの活動パターンが、細胞内カルシウムストアおよびcAMP 経路の関与によって形成されていることを見出した。最後に、この周期的な活動がアストロサイトの形態変化の誘導に関与している可能性を示唆した。以上のデータから、シグナル経路の複雑な相互作用によって生み出される活動パターンが、病態時におけるアストロサイトの多様な機能の実現に重要な役割を持つ可能性が考えられる。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(1 results)