2013 Fiscal Year Annual Research Report
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12J10924
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
小宮 秀治郎 明治大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 水田 / 中干し期 / CH_4フラックス / CO_2フラックス / 土壌中CH_4濃度 / 土壌中CO_2濃度 / 渦相関法 |
Research Abstract |
本研究では、異なる気候帯での水田におけるC・Nの循環を解明し、広域な水田での温室効果ガス排出量を推定するのに適したモデルを開発することを目的とする。本年度は温帯に位置する日本の神奈川県平塚市の営農水田を利用して、集中的に実験を行った。下記の研究成果①、②を得た。 ①中干し期の水田におけるCH_4動態 渦相関法とチャンバー法を用いて、中干し期とその前後の湛水期の水田におけるCH_4フラックスを調査した。水田への適用例が少ない渦相関法によるCH_4フラックスはチャンバー法によるそれと良好に一致し、渦相関法は妥当な値を測定したと考えられた。水田のCH_4フラックスの推移は土壌中CH_4濃度と関係があると考えられた。中干し直後において、大気へのCH_4放出の増加が観察されたが、落水に伴い水田土壌が酸化的条件になることで水田からのH_4放出が減少したと考えられた。 ②1作期の水田におけるCH_4・CO_2動態 1作期の水田におけるCH_4・CO_2フラックス動態と土壌中のCH_4・CO_2濃度、土壌環境条件の長期間変動の関係を調査した。1作期を通したイネの植物成長に伴う光合成と呼吸の変動を捉えることが出来た。また、1作期を通して、土壌中CO_2濃度の変動は土壌温度の変動と良好に一致したので、水田土壌中の土壌微生物の呼吸量は土壌温度の影響を受けると考えられた。一方、土壌中CH_4濃度の変動は土壌水分量と土壌温度の変動の影響を受けた。さらに、他の生育期間に比べてイネの生育後期において、土壌中CH_4濃度は極めて大きくなった。現在、イネの生育後期における土壌中の化学要素やC量を分析している。それらの結果を基に、イネの生育後期における土壌中CH_4濃度が上昇するメカニズムを明らかにしていく。また、1作期を通したCH_4フラックスの長期間変動の解析終了後、1作期を通して、水田におけるCH_4フラックス動態と土壌中CH_4・CO_2濃度、土壌環境条件の動態の関係を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1作期の水田におけるCH_4・CO_2フラックス動態と土壌中のCH_4・CO_2濃度、土壌環境条件の長期間変動を測定することに成功した。現在の進めている解析が終了後、1作期を通して、水田におけるCH_4フラックス動態と土壌中CH_4・CO_2濃度、土壌環境条件の動態の関係を明らかにしていく。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度はタイ王国水田でのC・N循環を明らかにする。タイ王国での調査は平成25年度に行う予定であったが、平成25年度は日本での測定に集中したため、行えなかった。そのため、平成26年度は水田の1作期間中、タイ王国に滞在して、タイ王国永田でのC・N循環を明らかにする。
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Research Products
(3 results)