2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J10924
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
小宮 秀治郎 明治大学, 農学部, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | CH4フラックス / 気泡 / CH4・CO2放出 / 気圧低下 / 土壌温度上昇 / δ13C-CH4 / 気泡経由 / 拡散経由 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度得られた日本の神奈川県平塚市の営農水田の結果の解析とタイ王国に位置するカセサート大学カンペンセーン校内の実験水田において集中観測を行った。下記の成果①、②、③を得た。 ①【平塚水田における1作期のCH4フラックス動態 】:1作期を通したCH4フラックスと土壌CH4濃度の動態は水管理に伴う土壌酸化還元の変化から大きく影響を受けたことを明らかにした。また、1作期を通したCH4フラックスと土壌CH4濃度の動態は比較的良好に一致したため、土中CH4濃度動態は水田におけるCH4フラックス動態に寄与していたと考えられた。 ②【タイ王国水田における気泡によるCH4, CO2放出機構の解明】:気泡によるCH4放出は気圧の低下、土壌温度の上昇との間に有意な相関関係を示した。気圧低下と土壌温度上昇は、気泡体積を膨張させ、浮力を増加させるため、気泡が大気へと解放されやすくなり、高いCH4放出が生じたと考えられた。また、気泡によるCH4放出が生じた時、突発的なCO2濃度上昇が確認された。気泡中のCO2濃度は11.3%と極めて高かったため、気泡が解放されることでCO2がCH4と一緒に大気へ放出されたと考えられた。CH4の時と同様に、気泡によるCO2放出は気圧低下・土壌温度上昇との間に有意な相関関係を示したことから、この二つの環境要因は気泡によるCH4・CO2放出の主要な制御要因であることを明らかにした。 ③【安定同位体比δ13C-CH4を用いた田面水上におけるCH4放出機構の分離】:田面水を介したCH4放出は気泡経由と拡散経由に分けられる。田面水から大気へ放出されるCH4のδ13C-CH4を測定することで田面水経由の分離を試みた。気泡経由のδ13C-CH4は拡散経由のそれに比べて低いことが分かった。このことから、δ13C-CH4を用いて気泡経由と拡散経由に分離できることを明らかにした。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)