2013 Fiscal Year Annual Research Report
PET画像誘導放射線治療に向けた世界初のリアルタイムイメージング手法の開発
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12J11124
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
田島 英朗 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | PET / 画像誘導放射線治療 / 腫瘍追跡 / OpenPET / リアルタイムイメージング |
Research Abstract |
OpenPETによるPET画像誘導放射線治療の実現を目指して、OpenPET画像再構成の高速化に取り組んだ。 OpenPET小型試作機の画像再構成アルゴリズムを、大規模並列化による高速演算が可能なGPUに実装し、最適化した結果、1Mカウントのリストモードデータから、76×76×84の画像サイズで再構成するために必要な時間を、1GPUの場合で1.22秒まで短縮することができた。さらに、2GPUへ対応した実装を行った結果、0.79秒という結果が得られた。ここで、ヒトサイズOpenPETの場合、十分な分解能で視野全体を再構成すると、画像サイズが大きくなり、小型試作機の場合と比べて計算時間が更に膨大になるという問題がある。そこで、画像再構成する領域を、追跡する腫瘍の周辺のみに限定した、ROI再構成法の検討を行った。その結果、物体内部のみを再構成するインテリア問題と呼ばれ、解が安定的に求まらないとされる条件のROI再構成ではあるが、その誤差は主としてバイアスとなって現れるため、形状を検出して行う腫瘍追跡の目的のためにはほとんど影響がなく、視野全体を画像再構成した場合と比較して、腫瘍追跡精度を保ったまま、計算時間を10%程度まで短縮できる可能性が示唆された。また、呼吸による腫瘍の動き情報を画像再構成に適用するために、動き情報の推定方法の検討を行った。試作機の段階で光学カメラと比較してPET画像は表示までに2秒の遅延があり、その遅延を補償する必要がある。OpenPETの測定データのみから動きの情報を推定するには、画像再構成と動き情報の推定を反復的に行う必要があるため、計算時間が大幅にかかってしまうことが検討の結果判明した。そのため、遅延の少ない補助的な信号を用いて、現在の腫瘍位置を推定する新しい手法に関する検討を行った。その結果、予測誤差約2.3㎜で遅延補正が可能であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
GPU再構成において、Stanford大学の研究チームが達成した世界最高レベルと同程度の速度を達成した。またさらに、腫瘍の動きをOpenPET再構成像と、外部センサーによる学習によって推定する手法を確立した。また、研究目的のPET画像誘導放射線治療を行うための装置としてより効率的であるSingle-Ring OpenPETの小型試作機の開発を行い、十分なイメージング性能を有することを示した。
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Strategy for Future Research Activity |
放射線医学総合研究所においてヒトサイズのWhole-Body Dual-Ring OpenPETの開発が進められており、それに対応した再構成法、及びリアルタイムイメージングシステムを開発する。その際、GPU実装に適した検出器応答関数のモデル化手法を開発し、高速かつ高精度なイメージングが可能なシステムの構築を目指す。
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Research Products
(15 results)