2014 Fiscal Year Annual Research Report
飼育実験手法を用いた硫化水素およびpHの浮遊性有孔虫への生物的影響の評価
Project/Area Number |
12J40143
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒柳 あずみ 東京大学, 大気海洋研究所, 特別研究員(RPD)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 浮遊性有孔虫飼育実験 / 硫化水素濃度 / 溶存酸素濃度 / 海洋無酸素事変 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,海洋の炭素循環の重要な担い手である浮遊性有孔虫の,過去における高い種絶滅率および種分化率の背景となる海洋環境を明らかにするため,溶存酸素濃度・硫化水素・pHが浮遊性有孔虫に与える生物的影響について,生息環境をコントロール可能な飼育実験手法を用いて検証することを目的とする.さらに,当時のみでなく近未来に懸念されている,二酸化炭素濃度上昇に伴う海洋の酸性化や,温暖化に伴う貧酸素化についても,浮遊性有孔虫の飼育実験結果を基に,炭酸塩生産の将来的な影響について解明する.そして,これらの飼育実験の結果を基に,過去から将来までを通じた,海洋の酸素状態・pH変化に起因する,海洋表層の炭酸塩生産を担う浮遊性有孔虫への影響評価を行うことを最終的な目的とする.第3年目である本年は,世界で初めとの試みとなる,浮遊性有孔虫の飼育海水の硫化水素濃度を変化させた飼育実験を実施し,さらにその結果を取りまとめ,溶存酸素濃度と硫化水素濃度による浮遊性有孔虫の生物的反応に顕著な違いが見られる事を明らかにした.またこれまで実施した浮遊性有孔虫飼育実験から得られた結果を応用し,従来報告されていた,白亜紀の無酸素事変時に浮遊性有孔虫の高い絶滅率が観察される,ということに疑問を持ち,このオリジナルデータについて詳細に解析した結果,高い絶滅率は従来報告されてきた無酸素環境によるもとではない,ということを明らかにした.
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(1 results)