2014 Fiscal Year Annual Research Report
定常的機械刺激が誘起する粉粒体の相分離ダイナミクス
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12J40224
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
稲垣 紫緒 千葉大学, 理学研究科, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 非平衡・・非線形物理学 / 非平衡散逸系 / 粉粒体物理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
大きさや形の異なる複数の種類の粉粒体を容器に入れ、機械的刺激によって擾乱を与えた際に誘起される分離現象の時空間ダイナミクスについて、実験と理論の両面から研究を行った。これまでは、円筒容器内に二種類の粒子を封入し、水平に設置して回転させることで粒子の分離現象を観察した。充填率と回転速度に依存して、粒子が分離して形成するバンドのパターンダイナミクスが複数現れることが分かった。この結果は2015年1月にPhysical Review Eに論文が受理されている。現在は、どのような粒子の組み合わせの時に分離現象がみられるか、明確な条件は明らかになっていない。粒子が分離する条件を定量的に評価するために、準2次元的な砂山の内部に分離した粒子の層が形成される現象における分離パターンと回転ドラムにおける分離の有無の対応関係について、実験を行っている。 このほか、鉛直加振する板の上に対掌性のある物体を置いた時の二次元的な運動モードについて、京都大学博士課程2年の久保善嗣氏と共同研究を行っており、今年度はそのモデル化において大きな進歩があった。対掌性のある物体は、棒の両端に円盤がついており、その円盤には穴があけられていて、重心が円の中心からずれるように設計されたダンベル粒子を用いている。鉛直方向に正弦波の振動を与えたときに、その加振強度によってダンベル粒子の重心運動がカオティックなモードから秩序的な回転運動に切り替わるのが観察されている。簡単な力学モデルを用いて、物体の両端についている粒子の運動方程式をたて、指向性のある運動モードの安定性について解析的な議論を行った。この現象は、等方的な励起に対して指向的な運動が実現されるという点で興味深いだけでなく、励起する方向に対して垂直な向きに粒子の運動が駆動されていることから、我々の回転ドラムの系と共通する非平衡散逸系特有のメカニズムがあると期待される。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)