2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J57022
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 京子 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 転写制御 / クロマチン構造 / ヒストン修飾 |
Research Abstract |
本研究では、4種類のヒト由来の細胞種、HeLa、DLD1、HEK293、MCF7を使用して実験を行った。転写開始点Transcriptome Starting Site(TSS)、転写終結点Transcriptome Terminal Site(TTS)、cDNAの内部構造を検証するために、それぞれの細胞種においてTSS/TTSMatePairLibrary、TSS/RandomMatePairLibraryを作成した。これらのlibraryを解析することにより、転写産物の全体像の検証を行った。また新規の遺伝子領域の同定も可能であった。ピストン修飾(H3K4me3、H3K27me3、H3K27Ac、H3K36me3)・RNA polymerase(CTD repeat、CTD repeat phospho S2)・CTCF・コヒーシン(Rad21)に対する抗体を用いたChlP-SeqLibraryの作成を行った。これらのデータを包括的に利用することにより、クロマチンのループ構造ピストン修飾、転写産物の3つの要素がどのように転写制御に影響を及ぼしているかということについて検証を行っている。MCF7細胞にエストロゲン刺激を行うことにより、estrogenreceptor-α(ER-α)とクロマチンの相互作用による転写制御の変化を推測した。エストロゲン刺激の有無によって変化する転写制御の変化をTSS/TTSMPL、TSS/Random MPLの結果から観測した。既存のchromatin conformation capture(3C)-Seqのデータを組み合わせて解析することにより、転写量だけではなく、スプライスパターンや転写終結といった転写産物の内部構造がクロマチンのループ構造により受ける影響について現在検証を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標としていたlibraryの作成をほぼ終了し、データの解析に着手できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
複数のヒストン修飾が転写制御に関わっていることが知られているが、全ての転写産物においてヒストン修飾が一様であるわけではない。ヒストン修飾の相違による転写制御の差についての検証を行う。この際に、本研究で作成したlibraryの結果だけではなく、International Human Epigenome Consortium (IHEC) http://www.ihecepigenomes.org/のデータも使用する。既存のchromatin conformation capture (3C)-SeqやChromatin Interaction Analysis by Paired-End Tag Sequencing(ChIA-PET)のデータを利用して、クロマチンループ構造による転写制御の検証を行う。
|
Research Products
(1 results)