2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13001002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 栄一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00134809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤坂 健 筑波大学, 化学系, 教授 (60089810)
澤村 正也 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40202105)
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Keywords | ベクシル / DNA / 有機金属錯体 / 密度汎関数法計算 / 電導性ポリマー / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
本研究は,炭素クラスター科学の展開の鍵は「化学修飾炭素クラスターの精密合成化学」にあるとの考えに基づき,炭素クラスター同士の複合体,炭素クラスターと有機分子,金属,生体分子などとの複合体を,炭素共有結合形成を鍵にして望みのままに作り出すことを目的として行った.これによって炭素クラスター複合体の構造構築と物性の高精度制御を実現,これによって次世代の材料科学,ナノテクノロジーや医学に資する新しい物質科学を創成すると同時に,精密合成化学,触媒化学など基礎化学分野での新発見を目指す.本年度の基礎研究課題としては炭素クラスター凸面上での反応化学の理解を深めるべく申請者が開発してきた新反応を中心に,密度汎関数法計算を用いて反応経路解明を行った.これに基づきフラーレンの多重官能基化反応の一般性の拡大を図った.さらに核酸結合性フラーレンと二重鎖DNAの会合体の生物活性と,その構造を原子間力顕微鏡観察によって明らかにした.水溶性フラーレンの水中でのベシクル形成,電導性ポリマーへのフラーレンドーピングについても検射した.分担者澤村と共同して,これまでに明らかにした有機銅試薬の反応機構の知見をもとに,有機銅試薬の反応原理の解明および他の一般的求核剤への展開を行い,フラーレンにアルケニル基を導入する方法を開発し,その金属錯体を合成して発表した.分担者赤阪はLa@C82,Pr@C82,Gd@C82等の金属内包フラーレンをアーク放電法により合成し,多段階HPLC法により分離精製を行った.これらの開殻構造の金属内包フラーレンを酸化・還元することで,閉殼構造の金属内包フラーレンイオン種を合成した.
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[Publications] E.Nakamura, M.Sawamura et al.: "Spherical Bilayer Vesicles of Fullerene Based Surfactants in Water"Science. 291. 1944-1947 (2001)
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[Publications] E.Nakamura et al.: "Atomic Force Microscope Studies on Condensation of Plasmid DNA with Functionalized Fullerene"Angew. Chem. Int. Ed. 40. 3364-3367 (2001)
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[Publications] E.Nakamura et al.: "Theoretical Studies on Solvent and Substituent Effects of Cuprate Conjugate Addition"Organometallics. 20. 5675-5681 (2001)
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[Publications] E.Nakamura et al.: "Synthesis and Transfection Capability of Multi-functionalized Fullerene Polyamine"Chem. Lett. 1214-1215 (2001)
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[Publications] E.Nakamura et al.: "Doping Effects of Tetra (amino) fullerene Epoxide in Conducting Polymer Thin Film"Jpn. J. Appl. Phys.. 40. L1390-L1393 (2001)
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[Publications] T.Akasaka: "Structral Department of the La@CB2 isomer"J. Phys. Chem. B. 105. 2971-2974 (2001)