2001 Fiscal Year Annual Research Report
情報伝達に関わる膜タンパク質(GPCRとイオンチャネル)の構造研究
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13001003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤吉 好則 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80142298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 主税 電子技術総合研究所, 超分子部, 分子システムラボリーダー
土井 知子 日本電子株式会社, 基礎研究部, 主任研究員
宮澤 淳夫 理化学研究所, 生体マルチソーム研究チーム, 連携研究員 (60247252)
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Keywords | 水チャネル / アクアポリンー4 / ニコチン性アセチルコリン受容体 / 電圧感受性Na^+チャネル / エンドセリン受容体 / 代謝型グルタミン酸受容体 / PSDZip45(Homer1) / 電子線結晶学 |
Research Abstract |
1、グリア細胞に存在する水チャネルアクアポリンー4の構造を解析するために、昆虫細胞Sf9を用いて大量発現し、精製した。Sf9細胞の6リッターカルチャーから10mgのアクアポリンー4が精製できるようになった。これを用いて2次元結晶を作製する条件を検討できるようになった。 2、電気エイの発電器官から作製されたニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)のチューブ状結晶を極低温電子顕微鏡で撮影して、立体構造解析を行っているが、nAChRの4.5Å分解能の解析とX線結晶学により解析されたアセチルコリン結合蛋白質の分子構造の比較から、リガンド結合に伴い、この受容体の2つのαサブユニットの内側のβバレルが15度程度回転するという構造変化の機構が解明された。 3、電圧感受性Na^+チャネルの単粒子解析の分解能を向上させるために、Ωフィルターを装備した極低温電子顕微鏡を用いて、薄い氷に包埋した電圧感受性Na^+チャネルの多くの像を撮影した。 4、興奮性シナプス後肥厚に存在して、代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)を局在させる働きをするHomer分子の立体構造を解析した。この結果、mGluRが結合することによってHomer分子とそれと結合するmGluRが局在するスイッチ機構のモデルを提案した。 5、ヒトエンドセリン受容体にmGluRのC末端側のプロリンリッチな部分を含む20残基を付加したキメラ受容体をHomerと昆虫細胞内で共発現することで、このキメラ受容体を局在させることが出来ることを確認した。これは、膜蛋白質を局在させて精製できる技術を開発できる可能性を示唆している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 今村 文昭: "Ligand Binding of the Second PDZ Domain Regulates Clustering of PSD-95 with the Kvl.4 Potassium Channel"Journal of Biological Chemistry. Vol.277 No.5. 3640-3646 (2002)
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[Publications] 入江 克雅: "Crystal structure of Homer 1 family conserved region reveals the interaction between EVH1 domain and own proline-rich motif"JOURNAL OF MOLECULAR BIOLOGY. (in the press).