2004 Fiscal Year Annual Research Report
半導体量子構造の平衝・非平衝電子ダイナミクスの解明と量子制御
Project/Area Number |
13002002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小宮山 進 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (00153677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生嶋 健司 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (20334302)
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Keywords | テラヘルツイメージング / 端状態 / 量子ドット / テラヘルツ光 / 単一光子検出 / 核スピン分極 / 非平衡電子分布 |
Research Abstract |
1.平成15年度までに開発した走査型テラヘルツ顕微鏡は量子ホール検出器を使用しており、従来型に比べて感度440倍、分解能2倍を達成していた。一方で、量子ドット検出器を3Heクライオスタットに搭載することによって、温度350mKにてテラヘルツ単一光子の検出に成功していた。平成16年度は、これら2つの成果を組み合わせて、圧倒的に感度を上げることに成功した。つまり、共焦点の走査型顕微鏡を新たに作り直し、今までの量子ホール検出器に代えて磁場中量子ドットによる光子検出器を搭載し、フォトカウンティング計測を可能として実効的感度をさらに数百倍増大した。このフォトカウンティング顕微鏡を量子ホール素子の非平衡電子系からのテラヘルツ発光の研究に応用し、hot spots(電流注入・抽出箇所)からの発光に電流の閾値があることを明らかにし、さらにクロスゲートによるポテンシャル障壁によって生じる端状態の非平衡分布にともなうサイクロトロン発光を見出した。 2.量子ホール電子系の端状態による核スピンのコヒーレント制御に関して、核スピン分極の時空間におけるプロファイルを明らかにするために、昨年度見出した手法を用いて実験を行った。つまり、2次元電子系メサ構造の側面に配したゲート電極にバイアス電圧を印加・挿引することにより、端状態の位置を挿引し、核スピン分極の空間プロファイルが数十ナノメータの広がりを持つピークと、拡散によると思われる更に広がった土台部分からなることを見出した。今後、核スピン分極の書き込みと読み出し双方において、時間・空間軸におけるダイナミクスを明らかにした。
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Research Products
(6 results)