2001 Fiscal Year Annual Research Report
変異HIVをターゲットとするダブルドラッグ型阻害剤のデザインと開発研究
Project/Area Number |
13015224
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
木曽 良明 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (40089107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 徹 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (70204980)
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Keywords | HIVプロテアーゼ阻害剤 / エイズ治療薬 / ペプチドミメティック / 抗ウイルス薬 / ドラッグデザイン / 薬剤耐性 / ダブルドラッグ / 酵素・阻害剤複合体 |
Research Abstract |
我々はヒドロキシメチルカルボニル(HMC)イソステアがHIVプロテアーゼ阻害剤において,理想的な遷移状態ミミックであることを見いだし,さらに低分子化にも成功した.この低分子HIVプロテアーゼ阻害剤は,次世代抗HIV薬として期待され現在米国アグロン社で開発中である. HIVプロテアーゼ阻害剤は画期的な成果を挙げて,併用療法により"エイズ患者の絶望を希望に変える"という初期の目的を達したが,大量投与が必要であること,また副作用および耐性克服など解決すべき問題点が山積みである. そこで,理想的なHMCを含むジペプチド型HIVプロテアーゼ阻害剤をデザインすることにより,耐性克服可能な組織移行性の高い低用量抗HIV薬の開発をめざし,ジペプチドKNI-727やKNI-764が高いHIVプロテアーゼ阻害活性を有することを見いだした.このKNI-764は,酵素結合の熱力学的解析により,変異HIVプロテアーゼに対しても高い結合能力を保持しており耐性克服の可能性が高いことを示した. さらに,逆転写酵素阻害剤とのハイブリッド型抗エイズ薬にすることにより細胞膜透過性に優れ,相乗効果をもつ本格的な第三世代の耐性克服エイズ治療薬のデザインと合成を行った.その結果,ジペプチドKNI-727と逆転写酵素阻害剤AZTとを自発的切断可能なリンカーで結合させたダブルドラッグKNI-1039が高い抗HIV活性を示すことを見いだした.また,このダブルドラッグが生体内と同じ条件下で,実際に分解されてKNI-727とAZTが再生されることを示し,抗エイズ薬として有望であることを示した.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Hikaru Matsumoto: "Design, synthesis, and biological evaluation of anti-HIV double-drugs : conjugates of HIV protease inhibitors with a reverse transcriptase inhibitor through spontaneously cleavable linkers"Bioorganic Medicinal Chemistry. 9(6). 1589-1600 (2001)
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[Publications] Adrian Velazquez-Campoy: "The binding energetics of first-and second-generation HIV-protease inhibitors: implications for drug design"Archives of Biochemistry and Biophysics. 390(2). 169-175 (2001)
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[Publications] 木曽良明: "分子認識を基盤とする創薬科学研究"化学工業. 52(6). 409-415 (2001)
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[Publications] Myeong-cheol Song: "Design and synthesis of new inhibitors of HIV-1 protease dimerization with conformationally constrained templates"Bioorganic Medicinal Chemistry Letters. 11(18). 2465-2468 (2001)
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[Publications] 木村徹: "自発的に再生可能な水溶性プロドラッグ:薬物放出時間の制御"MED CHEM NEWS. 11(3). 15-19 (2001)
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[Publications] Mitsunobu Doi: "KNI-272, a highly selective and potent petidic HIV protease inhibitor"Acta Crystallographica. C57(11). 1333-1335 (2001)
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[Publications] 鈴木紘一: "タンパク質分解の不思議:こわれなくてもこわれすぎてもいけない"クバプロ. 187 (2001)